【三度目の挑戦】九頭竜川の自然音で作業用・睡眠用サウンドを制作【ノイズカットの方法もご紹介】
こんにちは、ケン・イケハです。
先日から、自然音を利用した作業用・睡眠用のサウンド制作に挑戦しています。
前回の記事で書いたように、九頭竜川の川音を収録してサウンドの試作をおこないましたが、イヤホンで聴くと風切音などのノイズが気になり、まだまだ改善が必要でした。
風切音などのノイズ対策の方法を色々と調べ、九頭竜川での再収録をおこない、三回目の挑戦でようやく作業用・睡眠用サウンドとして利用できるものができあがりました。
今回の経験をとおして、自然音の収録の際、編集の際に、ノイズをカットするコツがいくつかわかりましたので、その内容をご紹介させていただきます。
音の収録に挑戦したい方のお役に立てればと思います。
完成した作業用・睡眠用サウンド
こちらが三回目の挑戦でようやく完成した、九頭竜川の自然音です。
作業用・睡眠用で使用できるように、60分に編集してYouTubeにアップしました。
(2019.7.11追記)YouTubeの別チャンネル作成にともない、リンク先を変更しています。
川の音の収録と編集で、ここまで試行錯誤が必要だとは思いませんでした。
でも、鳥の声を聞いたり、アユがはねているのを見つけたり、川辺でネコに出会ったりと、自然と触れ合いながらの収録はとても楽しいもので、それに気づいただけでも挑戦した甲斐がありました。
自然音収録を妨げる風切音とは
ようやく作業用・睡眠用の自然音をアップできたわけが、風切音には本当に悩まされました。
風切音(かざきりおん)には色々ありますが、自然音収録時に混入するのは、マイクに風が当たって「ガサガサ」となる音です。
前回収録したこちらの自然音にもこすれるような風切音が混ざっています。
普通にPCで聴いても気づきにくい音ですが、イヤホンで聴くとはっきりと聞えます。
この後の二回目に収録した音でもまだノイズが入っていたので、60分版のサウンドをYouTubeにアップするところまで用意したものの、考え直して没にしています。
質の悪い自然音で、九頭竜川のイメージを損ねたくないという想いもありました。
あらためて対策方法を調べ、3回目の挑戦をおこなうことにしました。
今回おこなったノイズカット方法(収録時)
それでは3回目の収録時におこなった、風切音などのノイズ対策の方法をご紹介します。
低域カットの設定
風切音の対策をネットで調べていて、録音機器によっては「低域カット機能」というものがあり、ノイズを入りにくくすることができると知りました。
もしかしてと思い、手元のTASCAMの取説をぱらぱら見ると、「低域カット」の説明が載っていて驚きました。
取説は最低限のところだけ読んで、すぐに実践にはいっていたので、こんな便利機能があることに気づいていませんでした。
初期設定では低域カットは「オフ」になっていて、変更すれば「40Hz」「80Hz」「120Hz」の三つから選んで設定できるようです。
違いがよくわからないので、とりあえず全部の設定で川音を収録しました。
どの設定でも風切音はほとんど入らなくなっていて、微妙な違いですが「80Hz」の設定が一番よい音がひろえていました。
ウィンドスクリーンのフィット確認
ウィンドスクリーンは初回の収録時から使用していましたが、レコーダーの画面を見ようと少しめくったりしていたので、もしかしたらフィットが若干ゆるくなっていたかもしれません。
前回収録時の写真
今回は隙間がでないようにぴったりフィットさせ、途中でめくったりしないように注意しました。
早朝に収録
前回までは夕方の時間帯に収録をしていましたが、なるべく車が少ない時間帯を選んだ方がいいと思い、早朝におこなうことにしました。
収録場所は道路から距離が離れていますが、可能な限り最善の環境を選ぶようにしました。
マイクの方向
私が使用しているTASCAM「DR-07MKⅡ」は、周りの音をまんべんなくひろうよりも、「単一指向性」といった性質で、狙った音を中心にひろうのが得意のようです。
そのため、水平ではなく、川音が発生する下の方にマイクを向けて収録するようにしました。
結果
これらの改善により、風切音をほとんどカットすることに成功しました。
しかし、風切音に気をとられて意識していなかった、また別のノイズが入っていることに気がつきました。
「ブーン」という聴覚検査で聞くような、イヤホンで聞かないと気づかないかすかな音が入っていたのです。
どこから出ているのかさっぱりわからず、収録時にはどうしようもないので、編集でカットする方法を調べました。
今回おこなったノイズカット方法(編集時)
EQ(イコライザー)
収録した音の編集には「Davinci Resolve」というフリーソフトを使用しています。
機能を調べていて、低音ノイズをカットする「EQ(イコライザー)」という機能があることを知りました。
こちらのYouTube動画で、「Davinci Resolve」を使用した音声編集がとてもわかりやすく説明されています。
EQの説明は7分半のあたりからです。
(内容と関係ありませんが、この若い男女コンビがなんとも微笑ましくて、ほのぼのします)
この動画を参考にEQ設定をいじってみたところ、原因不明のノイズをほぼ完全に消すことができました。
音によって有効な設定方法は違うようなので、音を聞きながら色々調整をしてみるしかありません。
私の場合はこのような調整で、「ブーン」というノイズが消えました。
よくわからないつまみがいっぱい並んでいます。
それぞれの機能で何を調整するのか、お恥ずかしながらさっぱり理解していません。。。
結果的に、グラフ画面の③④をカーソルでつかんで、下の方に動かしたらノイズが消えました。
ブレード
これは今回使用していませんが、ブレード機能でデータをピンポイントでカットすることができます。
たとえば、一時的に車の騒音が入った場合などに、その箇所の音だけをカットできるのです。
仮のデータでカットを試したところ、川音であれば途中の音を一部カットしても、音の前後のつながりにまったく違和感がありませんでした。
ピンポイントのノイズカットにとても有効な機能です。
まとめ
毎日聴いている癒しの自然音サウンドを自分で制作したい、という気持ちで挑戦した試みでしたが、思った以上に試行錯誤が必要でした。
でも制作を通して、サウンド収録の楽しさに気づいたので、本当に挑戦してよかったと思います。
福井には豊かな自然や文化が多くありますので、自然音だけでなく、風物詩や文化も対象に入れて、色々なサウンドの収録をおこなっていきたい、という気持ちがわいてきました。
そこで得られるコンテンツやノウハウは、誰かのお役に立てるかもしれませんので、ブログやYouTubeを通して提供させていただければと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。