若狭町・美浜町で癒しのサウンド集め(後編)
こんにちは、ケン・イケハです。
前回の記事でご紹介しましたように、7月13日(土)~15日(月)の期間で、福井県の若狭町と美浜町へ癒しのサウンド集めに行ってきました。
今回は後編です。
連休中はずっと小雨模様でしたが、雨は自然のサウンドに色をそえてくれますので、むしろ歓迎です。
連休の後半も、天気を気にせずにがっつりとサウンド収録をおこないました。
梅丈岳(レインボーライン)からのぞむ若狭湾
二日目の最初の収録場所に選んだのは、若狭町の人気No.1観光スポット「レインボーライン」です。
見晴らしの良さでは、レインボーラインの頂上にある「山頂公園」が随一のビューポイント。
9時より前の時間では、レインボーラインには入れますが、まだ山頂公園は開園していません。
小雨が降る天気で、山には霧がたちこめています。
白く霞んだ山や海の眺めも美しいものです。
(頂上公園に登るリフト乗り場の前にある駐車場から撮影。空と海が白くつながっているよう)
もっと鳥たちの声が聴こえる場所を求め、頂上から少しおりたところで収録をすることにしました。
(梅丈岳からのぞむ若狭湾)
山の鳥たちのさえずりに混ざり。
若狭湾の荒い波音が、こんな山の上まで響いてきます。
小雨の降る梅丈岳から見下ろす若狭湾。
幻想的な景色と調和した、美しいサウンドを収録することができました。
【自然音】早朝の小雨降る梅丈岳(レインボーライン)から若狭湾をのぞむ【作業用・睡眠用BGM】
収録が終わり、山頂公園が開く時間になってから、上にものぼってみました。
小雨模様のため、全体に霧がたちこめています。
(レインボーライン山頂公園)
ふだんは三方五湖と若狭湾の絶景を見渡せる「天空の庭園」ですが、この日は見渡す限り白一色。
(足湯につかりながら、何も見えない景色を見渡す妻と息子)
山頂は何度も来ているので、こういう白い景色は逆に新鮮です。
ご参考までに、晴れの日に山頂から撮影した、三方五湖の写真をお見せします。
色の異なる「五つの湖」と「若狭湾」が合わさった壮大な景色は、息をのむ美しさです。
(山頂から撮影した三方五湖の写真)
三方石観世音・妙法の滝
次に向かったのは、弘法大師(空海)ともゆかりのある「三方石観世音」です。
前日訪れた瓜割の滝のように、渓流が流れる緑豊かな山の中にあります。
(三方石観世音の登り口)
観音川に沿って、渓流の音を聴きながら山の上へとのぼっていきます。
(途中にある朱色の橋)
言い伝えによると、布教のため若狭を訪れた弘法大使がこの地で宿泊。
その際に、一夜のうちに大岩に観音像を彫られたが、夜明けを告げる鶏の鳴き声を聞き、わずかに右手首より先は残して下山されたとされています。
そのため。
大岩に彫られたその観音像がご本尊とされ、別名「片手観音」といわれているのです。
ご本尊が祀られている、本堂に到着です。
(三方石観世音・本堂)
なおご本尊は秘仏のため、33年に一度しか拝観できないことになっています。
次に拝観できるのは、2026年の10月のようです。
境内には、そばを流れる観音川の音と、鳥やセミの鳴き声が心地よく響いています。
でも。
サウンド収録の対象としては、こちらに目をつけました。
(三方石観世音・妙法の滝)
本堂の手前にある、お不動様を祀った「妙法の滝」です。
滝にしては水の流れはかわいいものですが、岩をうつ山水が、セミの声と合わさり、よいサウンドを響かせています。
【自然音】三方石観世音・妙法の滝とセミの声【作業用・睡眠用BGM】
松尾芭蕉の句、「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」を思い起こさせる音風景でした。
おまけ(ありふれた場所の音風景)
名所以外のところでも、夜と早朝の散歩の際に、素敵な音風景に出会えたので収録をしました。
夜の稲荷神社
(夜の稲荷神社)
若狭町は夜の9時にもなれば、寝静まったように外の世界は静寂に包まれます。
そんな時刻でも、夜の神社はやはり怖いもの。
聞こえてくるのは、虫の声ばかり。
異界から来た白狐さんが、ひょっこり顔をのぞかせそうな、そんな雰囲気に包まれています。
夜の田んぼ
神社を後にして、小雨の中、田んぼ道を散歩しました。
(夜の田んぼ)
こちらでは、虫やカエルたちの静かな合唱が始まっています。
みんな好き放題に歌っている様子です。
【自然音】夜の田んぼ・静かなカエルと虫の声【作業用・睡眠用BGM】
早朝の田舎道
連休最終日の早朝。
何もない田舎道を散歩です。
(早朝の田舎道)
早起きした鳥や虫たちの声が聴こえてきます。
ときおり、甲高い鳴き声を響かせているのは、キジのようです。
車の音や人の声はほとんどなく、自然の生き物たちの声が聴こえるばかり。
【自然音】早朝の田舎道・鳥や虫たちの声【作業用・睡眠用BGM】
田舎ではありふれた音風景ですが。
街に長く住んでみると、ノイズのない自然なサウンドが、当たり前のようで当たり前でないことに気がつきます。
まとめ
7月13日~15日の三連休では、若狭町と美浜町で、たくさんの素敵なサウンドを集めることができました。
どちらの町も、ビジュアル的な美しい景色は広く知られていますが、サウンドに焦点を当てた、音風景の美しさも多くの方に知っていただきたいと思います。
周りには、まだまだ素晴らしい音風景が眠っているはずなので、引き続き、心を豊かにする癒しのサウンド集めをおこなっていきます。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
若狭町・美浜町で癒しのサウンド収集(前編)
こんにちは、ケン・イケハです。
素敵なサウンドを求め、7月13日(土)~15日(月)の期間で、実家への帰省とレジャーもかねて福井県の若狭町と美浜町へ行ってきました。
福井市外での収録は今回が初めて。
どちらも自然の豊かな町なので、どんな音を収録できるか期待をふくらませて訪れました。
小浜線の電車音
最初に出会った素敵なサウンドは。
小浜(おばま)線を走る電車の音でした。
(電車の外観を撮影し忘れたので、数年前に撮った写真です。。。)
小浜線は、福井県の敦賀駅から京都府の東舞鶴駅をつなぐ路線です。
若狭湾に沿って走っている電車なので、各地の海水浴場や、三方五湖などの観光地へ訪問するためにも利用されています。
(車両先頭からの風景)
私は電車のことは詳しくありませんが、関東に住んでいるときによく利用していた、山の手線やつくばエクスプレスとは、電車音がだいぶ違うように感じます。
この「ガタンゴトン」という音が、のどかな車窓の景色と合っていて、心を落ち着かせてくれます。
妙に眠気を誘うサウンドで、編集をしながら、ふと寝落ちしそうになってしまいました。
【癒しの音】若狭を走る小浜線の電車音(作業用・睡眠用BGM)
(7月15日の帰り時に再収録した電車音。車内アナウンスなどをカットし60分版に編集しています)
瓜割の滝
サウンド収録の最初の目的地に選んだのは、若狭町の上中地区にある、瓜割(うりわり)の滝です。
「あまりの水の冷たさに瓜が割れた」という伝説にちなんで名前がつけられた瓜割の滝は、透き通った美味しい水が湧き出ています。
環境省の選定した全国名水百選に入っており、おいしい水部門では第2位に選ばれています。
きれいな緑の木々に囲まれた景勝地で、夏でも涼しい癒しスポットです。
(無料の駐車場から歩いて約1分で、瓜割の滝の目印が見えてきます)
(瓜割の滝の前にある休憩小屋)
山道を登っていくと、瓜割の滝が姿を現しました。
(瓜割の滝)
先日訪れた一乗滝のような激しい滝ではなく、こちらは優美でやわらかさを感じる滝です。
木々やこけの緑と調和した、なんとも美しい光景です。
滝と渓流の見た目の美しさとともに、澄んだ水の音色が心を癒してくれます。
流れる音からも、水の冷たさが伝わってくるようです。
こちらは滝から少し距離を置き、渓流をメインに収録したサウンドです。
違いがわかるでしょうか?
【自然音】瓜割の滝 渓流音バージョン(作業用・睡眠用BGM)
渓流に手を入れると、噂通りとても冷たい水が流れていました。
手ですくって飲んでみると、ミネラルウォーターとはまた違った風味のある、山の香りを含んだような水です。
滝の水で心と体も満たされ、次の目的地に向かいました。
若狭湾(日向の海)
次に向かったのは、若狭町のおとなり美浜町にある日向(ひるが)の海です。
福井県外の方には、日本海や若狭湾といった方がわかりやすいと思います。
日向には海水浴場や釣り堀などのレジャースポットがあり、今回はサウンド収録と合わせて、釣りをするためにやってきました。
場所は有料の釣り堀ではなく、お金のいらない防波堤です。
日向湖と海が合わさるポイントで、湖の魚が釣れることもあるそうです。
(さっそく海の生き物を探す妻と息子)
小雨が降り波がやや荒くなっていることもあり、防波堤の内側で釣りをしました。
天気の悪さなどおかまいなく、妻と息子はやる気まんまん。
(真剣に獲物を狙う二人)
途中から、私は一人サウンド収録にとりかかりました。
(小雨が降る日向の海)
天気がよくないため、波が激しく防波堤に打ち寄せています。
波を足にかぶりながら、荒い若狭湾の波音を収録しました。
釣りの成果
今回おこなったのは、オキアミをエサにしたサビキ釣りという、初心者でも楽しめるオーソドックスな釣りです。
午後から2時間ほど釣りをして、成果はこのとおり。
・子アジ 約20匹
・ガシラ 1匹
・ベラ 1匹
(日向の海で釣れた魚たち)
息子は釣りよりも貝とカニの手づかみに夢中になり、小さなシタダミという貝を集めてくれました。
高知で何度か家族三人で海釣りをしたことがありますが、福井で家族そろって海釣りをしたのは今回が初めて。
それにしても残念だったのが、妻が偶然にも「ウナギ」を釣り上げたのに、パニックになって落としてしまったこと。
本人曰く
「ヘビが釣れたと思った!」
ということです。
実にもったいない・・・
釣った魚たちは実家に持って帰り、夕食のおかずとして美味しくいただきました。
(小アジのフライ)
(ガシラとベラの塩焼き)
(シタダミの塩ゆで)
まとめ
若狭町と美浜町は、美しい山・川・海・湖に囲まれた、自然のあふれる癒しの町です。
足を運べばいたるところにヒーリングスポットがあります。
魅力的なサウンドがそこら中にあり、音風景も美しい場所です。
特に今回収録した瓜割の滝の音はとても気にいっており、先日の収録で音割れのミスをした一乗滝のサウンドに代わる、癒しの滝サウンドを収集することができました。
二日目も引き続き、素敵なサウンドを見つけて収録をおこないましたので、後編でご紹介いたします。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【ヒーリングサウンド】足羽山の聖域 足羽神社の手水音を収録
こんにちは、ケン・イケハです。
ヒーリングサウンドになりそうな癒しの音を求めて、福井市内の足羽山にある足羽神社に行ってきました。
この季節の境内は、どんな音に包まれているだろうと。
音の対象は何も決めないまま、静かな夕刻の時間帯に訪れました。
足羽神社のこと
足羽神社は福井駅から歩いて25分ほどのところにある、足羽山を少し登ったところに鎮座する神社です。
継体天皇をはじめとした神々が祀られています。
愛宕坂の石段を登って足羽山に足を踏み入れると、風景は一変。
街の喧騒は遠くなり、神聖な領域に入ってきたことを感じます。
(愛宕坂の上から見下ろす風景)
(足羽神社の石段前)
夕刻の境内は静寂で、聞えるのは鳥や虫の声ばかり。
右に見えるのが、有名な足羽神社のしだれ桜です。
花見の季節に撮影したしだれ桜がこちらです。
美しい姿を一目見ようと、たくさんの方が訪れます。
・
・
・
まずは鳥や虫の声を収録しようと、境内の奥へ向かったところ、静かな水の音に気がつきました。
手水の水音です。
その心地よい水音は、ヒーリングサウンドの素材にふさわしいものでした。
足羽神社の手水音
手水はシンプルな水音ですが、この静かな音が、神社の神聖な空気をより澄んだものにしています。
アジサイの花が水面に浮かべられ、見た目でも癒される情景です。
それでは足羽神社の手水音をお聴きください。
ほんのかすかにですが、セミの声が水音のバックに入っています。
(2019.7.11追記)YouTubeの別チャンネル作成にともない、リンク先を変更しています。
手水音を収録する際の注意点
今回は音源がとても静かなので、一乗滝のような音割れのミスを起こす心配はないと思いましたが、念のため距離を分けて収録しました。
結果的に、音源により近づけた方がよい音がとれていました。
このときは境内には誰もいませんでしたが、当然のことながら、もし参拝客がいたら、邪魔にならないように配慮が必要です。
あとは蚊に刺されるのを我慢しながらの収録はきつかったので(ノイズの原因になるので手を動かせない)、今後はもっと念入りに虫よけスプレーをしてのぞもうと思います。
まとめ
特に狙いも決めずに足羽神社へ収録に行ったわけですが、素敵な手水音と出会えたことに感謝です。
サウンド収録をおこなうようになり、音風景に対して、前よりもずっと意識が強くなっていることを感じます。
足羽神社を例にすると、ビジュアル的にはしだれ桜の存在感が大きくて、参拝者の意識はそちらに向かいます。
でも音風景をとらえようとすると、しだれ桜ではなく、鳥や虫の声、手水音といった、ふつうは参拝しても記憶にすら残らないようなところへ意識が向かいます。
日常生活においても、私たちは見た目の情報を圧倒的に重視した世界に生きているのだなと、あらためて気づかされました。
音風景を意識すると、世界が別の色に見えてくることを感じています。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【ヒーリングサウンド】佐々木小次郎修行の地 一乗滝の自然音を収録【風圧注意】
こんにちは、ケン・イケハです。
ヒーリングサウンドの制作のため、家族でのレジャーもかねて、福井市の一乗滝に自然音の収録に行ってきました。
家から自転車で片道2時間近くかかる山奥にありますので、ママチャリでの移動はなかなかきついものです。
小学一年の息子も自転車で付いてきて、疲れ知らずの体力で私と妻を驚かせてくれました。
交通費は0円、昼食は持参。
我が家らしい財布と環境に優しいレジャーで、お金をかけずとも豊かに生きる「エコノミースタイル」の実践です。
一乗滝の言い伝え
このあたりの地域は、歴史ロマンのあふれる人気スポットで、戦国時代に朝倉氏が築いた城下町跡「一乗谷朝倉氏遺跡」という福井随一の観光名所があります。
その遺跡からさらに山奥に入ったところに、一乗滝があります。
巌流島で宮本武蔵と対決した剣豪・佐々木小次郎が、この一乗滝で修行をおこない、「つばめ返し」の技をあみ出したと言い伝えられています。
(一乗滝の手前に建てられている佐々木小次郎の像)
神々しい滝音の中から、時を超えて、空気を切り裂く剣音がきこえてくるようです。
一乗滝のヒーリングサウンド
こちらが今回収録した一乗滝の自然音です。
前回収録した九頭竜川の自然音と同様に、収録時と編集時に、風切音などのノイズ対策をおこなっています。
こうやって音をきいていると、訪れた一乗滝の情景が目に浮かんできます。
採集してきた山草や、海で釣ってきた魚を自分で調理をして、自家製料理を楽しむのと同じような味わいがあります。
でも。
実際にきいた滝音を再現しきれていないのが、歯がゆいところです。
本物の一乗滝はもっと神聖で壮大な音を響かせていました。
このクオリティーではまだまだ満足ができず、課題は残っています。
(2019.7.10 追記)
どうも滝の音がおかしいと思い調べてみたところ、どうやら「音割れ」という現象が起こっているようです。
大きすぎる音を録音したときなどに起こるそうなので、滝との距離が近すぎたんですね。
悔しいので近日中にリベンジします。
滝で収録する際の注意点
滝は音が大きいから、川よりも収録時に混入するノイズは少ないだろうと思っていましたが、それは大間違いでした。
最初は、できるだけ滝に近づいて収録しようと、水の中に入っていき、滝にレコーダーを向けて収録をしました。
すると。
滝の直下は風圧がものすごく、強風にまきこまれたような状況になっています。
水しぶきもすごい。
こんな環境で収録したら、ノイズが入らないわけがありません。
色んな距離・角度から収録をして、結果的に、ほどよく近い陸地から収録したものが、一番きれいに音がひろえていました。
でも、もう少し離れたところからも収録すれば、滝音と川音が合わさった、もっと立体的な音がとれたのではないかと思えます。
それはまた別種類のサウンドになるかもしれませんが、あらためて他の滝を収録する際に試みてみます。
あとは、ウィンドスクリーンの毛を狙っているのか、たびたびハチがレコーダーを攻撃してくるのには困りました。
まとめ
一乗滝を訪れたのは初めてでしたが、山と渓流に囲まれたとても心地よい癒しの環境でした。
滝のすぐ近くにある「小次郎の里」では、渓流釣りやキャンプをすることができます。
今回は渓流横の釣り堀で息子がニジマスを釣り、おみやげに持って帰って夕食のおかずにしました。
今年の夏か秋頃には、ぜひ一乗滝の近くでキャンプをしたいものです。
その際は、酒でも飲みながら、川辺で「夜の渓流&虫の声サウンド」の収録ができればいいなと考えてます。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【三度目の挑戦】九頭竜川の自然音で作業用・睡眠用サウンドを制作【ノイズカットの方法もご紹介】
こんにちは、ケン・イケハです。
先日から、自然音を利用した作業用・睡眠用のサウンド制作に挑戦しています。
前回の記事で書いたように、九頭竜川の川音を収録してサウンドの試作をおこないましたが、イヤホンで聴くと風切音などのノイズが気になり、まだまだ改善が必要でした。
風切音などのノイズ対策の方法を色々と調べ、九頭竜川での再収録をおこない、三回目の挑戦でようやく作業用・睡眠用サウンドとして利用できるものができあがりました。
今回の経験をとおして、自然音の収録の際、編集の際に、ノイズをカットするコツがいくつかわかりましたので、その内容をご紹介させていただきます。
音の収録に挑戦したい方のお役に立てればと思います。
完成した作業用・睡眠用サウンド
こちらが三回目の挑戦でようやく完成した、九頭竜川の自然音です。
作業用・睡眠用で使用できるように、60分に編集してYouTubeにアップしました。
(2019.7.11追記)YouTubeの別チャンネル作成にともない、リンク先を変更しています。
川の音の収録と編集で、ここまで試行錯誤が必要だとは思いませんでした。
でも、鳥の声を聞いたり、アユがはねているのを見つけたり、川辺でネコに出会ったりと、自然と触れ合いながらの収録はとても楽しいもので、それに気づいただけでも挑戦した甲斐がありました。
自然音収録を妨げる風切音とは
ようやく作業用・睡眠用の自然音をアップできたわけが、風切音には本当に悩まされました。
風切音(かざきりおん)には色々ありますが、自然音収録時に混入するのは、マイクに風が当たって「ガサガサ」となる音です。
前回収録したこちらの自然音にもこすれるような風切音が混ざっています。
普通にPCで聴いても気づきにくい音ですが、イヤホンで聴くとはっきりと聞えます。
この後の二回目に収録した音でもまだノイズが入っていたので、60分版のサウンドをYouTubeにアップするところまで用意したものの、考え直して没にしています。
質の悪い自然音で、九頭竜川のイメージを損ねたくないという想いもありました。
あらためて対策方法を調べ、3回目の挑戦をおこなうことにしました。
今回おこなったノイズカット方法(収録時)
それでは3回目の収録時におこなった、風切音などのノイズ対策の方法をご紹介します。
低域カットの設定
風切音の対策をネットで調べていて、録音機器によっては「低域カット機能」というものがあり、ノイズを入りにくくすることができると知りました。
もしかしてと思い、手元のTASCAMの取説をぱらぱら見ると、「低域カット」の説明が載っていて驚きました。
取説は最低限のところだけ読んで、すぐに実践にはいっていたので、こんな便利機能があることに気づいていませんでした。
初期設定では低域カットは「オフ」になっていて、変更すれば「40Hz」「80Hz」「120Hz」の三つから選んで設定できるようです。
違いがよくわからないので、とりあえず全部の設定で川音を収録しました。
どの設定でも風切音はほとんど入らなくなっていて、微妙な違いですが「80Hz」の設定が一番よい音がひろえていました。
ウィンドスクリーンのフィット確認
ウィンドスクリーンは初回の収録時から使用していましたが、レコーダーの画面を見ようと少しめくったりしていたので、もしかしたらフィットが若干ゆるくなっていたかもしれません。
前回収録時の写真
今回は隙間がでないようにぴったりフィットさせ、途中でめくったりしないように注意しました。
早朝に収録
前回までは夕方の時間帯に収録をしていましたが、なるべく車が少ない時間帯を選んだ方がいいと思い、早朝におこなうことにしました。
収録場所は道路から距離が離れていますが、可能な限り最善の環境を選ぶようにしました。
マイクの方向
私が使用しているTASCAM「DR-07MKⅡ」は、周りの音をまんべんなくひろうよりも、「単一指向性」といった性質で、狙った音を中心にひろうのが得意のようです。
そのため、水平ではなく、川音が発生する下の方にマイクを向けて収録するようにしました。
結果
これらの改善により、風切音をほとんどカットすることに成功しました。
しかし、風切音に気をとられて意識していなかった、また別のノイズが入っていることに気がつきました。
「ブーン」という聴覚検査で聞くような、イヤホンで聞かないと気づかないかすかな音が入っていたのです。
どこから出ているのかさっぱりわからず、収録時にはどうしようもないので、編集でカットする方法を調べました。
今回おこなったノイズカット方法(編集時)
EQ(イコライザー)
収録した音の編集には「Davinci Resolve」というフリーソフトを使用しています。
機能を調べていて、低音ノイズをカットする「EQ(イコライザー)」という機能があることを知りました。
こちらのYouTube動画で、「Davinci Resolve」を使用した音声編集がとてもわかりやすく説明されています。
EQの説明は7分半のあたりからです。
(内容と関係ありませんが、この若い男女コンビがなんとも微笑ましくて、ほのぼのします)
この動画を参考にEQ設定をいじってみたところ、原因不明のノイズをほぼ完全に消すことができました。
音によって有効な設定方法は違うようなので、音を聞きながら色々調整をしてみるしかありません。
私の場合はこのような調整で、「ブーン」というノイズが消えました。
よくわからないつまみがいっぱい並んでいます。
それぞれの機能で何を調整するのか、お恥ずかしながらさっぱり理解していません。。。
結果的に、グラフ画面の③④をカーソルでつかんで、下の方に動かしたらノイズが消えました。
ブレード
これは今回使用していませんが、ブレード機能でデータをピンポイントでカットすることができます。
たとえば、一時的に車の騒音が入った場合などに、その箇所の音だけをカットできるのです。
仮のデータでカットを試したところ、川音であれば途中の音を一部カットしても、音の前後のつながりにまったく違和感がありませんでした。
ピンポイントのノイズカットにとても有効な機能です。
まとめ
毎日聴いている癒しの自然音サウンドを自分で制作したい、という気持ちで挑戦した試みでしたが、思った以上に試行錯誤が必要でした。
でも制作を通して、サウンド収録の楽しさに気づいたので、本当に挑戦してよかったと思います。
福井には豊かな自然や文化が多くありますので、自然音だけでなく、風物詩や文化も対象に入れて、色々なサウンドの収録をおこなっていきたい、という気持ちがわいてきました。
そこで得られるコンテンツやノウハウは、誰かのお役に立てるかもしれませんので、ブログやYouTubeを通して提供させていただければと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【初収録】九頭竜川で自然音の録音に挑戦
こんにちは、ケン・イケハです。
先日のサウンド初制作に続き、今回は初めて自然音の収録に挑戦しました。
自然音で作業用BGMを制作することが目的でしたが、まだ不慣れのため、今回は1分ちょっとの長さで試作編集をしています。
自然音の収録方法やデータ編集方法についてご紹介させていただきますので、ご興味がある方の参考になればと思います。
収録場所
九頭竜川
川の音を収録するため、家から割と近い九頭竜川(くずりゅうがわ)の下流に行ってきました。
九頭竜川は福井県を代表する一級河川です。
鮎釣りもできるきれいな川で、私が収録をしているときも、ピチャピチャと元気よく鮎のような魚が飛び跳ねていました。
余談ですが、福井の鉄道には「九頭竜線」という路線がありまして、マンガ「るろうに剣心」で登場した「九頭龍閃」という飛天御剣流 の技を思い起こさせます。
・
・
・
そしてこれが九頭竜川。
時刻は18時半頃。あいにくの曇天もようです。
ふと何か視線を感じると思ったら、先客がいました。
警戒した様子でこちらをじっと見ています。
よく見ると首輪をつけていたので、夕方のお散歩で川辺にやってきたのかもしれません。
機材
収録に使用した機材がこちら。
TASCAMの「DR-07MKII」という製品です。
値段の割にとても音質がよいという評判だったので、今回の収録のために購入しました。
操作はとても簡単で、「録音」スイッチを押すだけで音の収録ができます。
頭の角のようなところがマイクになっているので、音源の方へ向けて使用します。
このように付属のホルダーをつけるともちやすくなります。
今回のような野外での収録では、こんな感じで頭に帽子をかぶせてあげます。
風のノイズを防ぐ、「ウィンドスクリーン」というアイテムです。
この機材で、川音の収録をおこないました。
収録した自然音
こちらが今回収録した川音です。
川音と一緒に鳥の声もひろうことができました。
撮影した写真を静止画に使用しています。
音はひろえていますが、風音が少しノイズになっているのが気になります。
収録や編集方法に改善が必要です。
動画編集とYouTubeへのアップ方法
ご参考までに、収録した音をYouTubeへアップする方法をご紹介します。
「音声データ」と「画像」を動画編集でアップ用データに変換する方法は、前回の記事をご参照ください。
記事中の“「音声データと静止画像」を「動画データ」に変換・編集する方法”の箇所に記載しています。
用意できた動画データのアップ方法は、こちらのサイトにとてもわかりやすくまとめられています。
私も活用させていただいたのでご参照ください
dekiru.net
アップが完了すると、このように動画が表示されます。
まとめ
自然音の収録は初めての試みでしたが、難しい課題が色々と見つかりました。
それでも、カメラや動画撮影とは違って、音の収録というのは、また違った楽しみがあるものです。
自然の音や、生活の中での音。
音への注意を深くし、意識を高めると、周りの風景がまた違ったかたちで見えてくることに気づかされました。
風景を写真におさめるように、音の風景を集める活動を、改善を加えながら今後もおこなっていきたいと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【激ムズ】音楽のど素人がヒーリングサウンドの制作に挑戦してみた
今回の記事はこのような方に向けた内容です。
●音楽の知識や経験がないけど、オリジナルのBGMを作ってみたい。
●作成した音声データをYouTubeにアップしてみたい。
こんにちは、ケン・イケハです。
前回の記事でとりあげたように、私は毎日のように「癒しのBGM」を聴きながら生活をしています。
こんなサウンドを自分で作ってみたいと思っていましたが、私は楽譜も読めず、楽器もひけず、歌も下手で、作曲経験なんて何もありません。
そんな音楽ど素人の人間でも、簡単な音楽を何か作れないか調べていたところ、このような本を見つけました。
10日Pさんという方が書かれた、「作りながら覚える 3日で作曲入門」という本です。
この本をもとに試しに作曲にとりかかったところ、クオリティーは全然ですが、なんとかヒーリングサウンドもどきのBGMを制作することができました。
今回はサウンドの制作方法と、音声と静止画を組み合わせた、YouTubeへアップできる動画データの編集方法もご紹介させていただきます。
今回制作したサウンド
今回イメージしたサウンドは、このようなものです。
メロディーはあまりありませんが、ゆるやかな雰囲気で気分をやわらげてくれるようなサウンドです。
ヒーリングサウンドの例
8 Hour Deep Sleep Music: Delta Waves, Relaxing Music Sleep, Sleeping Music, Sleep Meditation, ☯159
こういうヒーリングサウンドを自分で作ってみたいという軽いきもちで、音楽の「コード」すら知らなかった素人の私が、10日Pさんの本を読みながら、3日で作ることに挑戦してみました。
制作したのは1分ちょっとの長さのサウンドですが、とにかくコードの組み合わせが私にとっては「激ムズ」でした。
少し音を入れ替えるだけで、調子はずれのサウンドに変わってしまいますし、「ヒーリング風」にするにはどんな楽器をどう組み合わせればいいのかとか、わからないことだらけでした。
10日Pさんの本ではポップスを例に作曲していくのですが、習った「ドラム」や「ベース」の音は、ヒーリングサウンドにはなくていいと思ったので、結局は省いて作っています。
そんな試行錯誤の末、ようやく完成したのがこちらの“ヒーリング風”サウンドです。
(音量は小さめです)
最初に紹介したヒーリングサウンドと比べると、音の質や風格がまるで違いますね。
自作サウンドは、そんなに簡単にできるものではありませんでした。
使用した音楽ソフト
音楽を作曲できるソフトは色々あり、簡単なものになると、鼻歌を録音するだけで作曲ができるというスマホアプリまであります。
今回はそのような簡単に作曲できるアプリは対象から省き、ある程度自由に作曲ができるソフトの中から選びました。
そして選んだのが、10日Pさんの本で紹介されていた「Domino」というフリーソフトです。
私は本に付属のCD-ROMからダウンロードしましたが、下記のサイトからもダウンロードが可能です。
サウンドの制作方法
サウンドの制作方法は、主に10日Pさんの本を参考にしています。
基本的なコードから上級者向けのコードまで色々紹介されていますので、それらを利用しながら作っていきました。
基本的な機能しか使わないのであれば、Dominoの操作自体はそれほど難しくありません。
難しいのは、主にコードの組み合わせです。
ご参考までに、本で紹介されていたコードの一部を記載しておきます。
コードの例
C:ド+ミ+ソ
Dm:レ+ファ+ラ
Em:ミ+ソ+シ
F:ファ+ラ+ド
G:ソ+シ+レ
Am:ラ+ド+ミ
Am7:ラ+ド+ミ+ソ
Bm7(b5):シ+レ+ファ+ラ
上記のコードを参考に、アレンジを加えながら打ち込みをおこないました。
楽器は色々なものを試して、最終的にフルートとWarm Padの組み合わせに落ち着きました。
Dominoの操作画面
10日Pさんの本をお持ちでない方は、下記のサイトがDominoを使った作曲の参考になると思います。
「音声データと静止画像」を「動画データ」に変換・編集する方法
音声データを画像と組み合わせてYouTubeにアップするには、データの変換や編集が必要になります。
①MIDIをMP3に変換
Dominoで制作したサウンドは、MIDIという形式で保存されます。
このままではYouTubeにアップできないので、MP3の形式に変換をします。
変換方法は、こちらのサイトを参考にさせてもらいました。
この方法でYouTubeへのアップまで完了できますが、背景画像がこのように無味乾燥なものになります。
別の画像を利用してアップしたい場合は、次の②の方法をおこないます。
②MP3データと静止画像の編集
サウンドデータと自分で用意した静止画像を組み合わせる方法をご紹介します。
まず、①で紹介したサイトの中の、「【2】MIDI音源を用意して、「SMF to MP3 with ぼーか郎」のサイトへアクセス」の説明を参考に、自分で作成したサウンドデータをMP3データに変換します。
静止画像は、フリー素材などでお好みのものをご用意ください。
そして下記の公式サイトから、動画編集ソフト「Davinci Resolve」をダウンロードします。
「Davinci Resolve」は幅広い機能をそなえつつ、とても使いやすいフリーの動画編集ソフトです。
私は今回初めて使用しましたが、音声データと画像データの組み合わせや、データの長さの調整くらいは簡単におこなえました。
ダウンロード方法や使用方法は、こちらのサイトを参考にさせていただきました。
ダウンロード方法
基本的な操作方法
実際の編集画面はこんな感じです。
デザインがスタイリッシュでかっこいいです。
最初、間違ってMP4データを読み込ませていて、全然編集ができず無駄に時間を使ってしまいました。
MP3データと画像データを読み込ませれば、簡単に編集ができます。
編集といっても、今回おこなったのは、画像の表示時間をサウンドの長さに合わせたことと、サウンドの時間を少しカットしたことくらいです。
完成したデータを「YouTubeにアップする形式のファイル」に書き出す方法は、こちらのサイトを参考にさせてもらいました。
何かにつけてデータの変換が色々とでてきます。
初めてだと、なんのこっちゃという感じですが、説明のままに進めれば大丈夫です。
ちなみに、この「Davinci Resolve」のソフトにたどりつくまでに、「MP3TUBE」 「Windowsムービーメーカー」「マイクロソフトのフォト機能」の三つで試しましたが、途中でややこしくなってうまくいかず、動画形式のデータを用意するのにとても時間がかかってしまいました。
実際に使いやすく、評価も高いようなので、動画編集では「Davinci Resolve」をおすすめします。
まとめ
楽器もろくにひけない音楽の素人がサウンド作りに挑戦したわけですが、想像以上に難しかったというのが実感です。
一からサウンドを作るのは、自分にはあまり向いていないということがよくわかりました。
でも、サウンドを利用して、画像と組み合わせて編集をするのは、なかなか楽しい作業でした。
ヒーリングサウンドは毎日聴いているほど好きなので、今度はぜひ、自然の音などを利用したサウンド作りに挑戦したいと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。