【リラックス&ヒーリング】YouTubeで聴ける癒しのBGMチャンネル【厳選5つ】
今回の記事はこのような方に向けた内容です。
●落ち着いた音楽を聴きながら、リラックスした気分で仕事や勉強に取り組みたい。
●疲れやストレスがたまっていてつらいので、音楽を聴いて癒されたい。
こんにちは、ケン・イケハです。
読書やブログを書くときに、YoutubeのチャンネルでBGMを流すことがすっかり習慣となってしまいました。
今ではBGM専門のチャンネルがいくつもあり、無料とは思えないような質の高いBGMを利用できるようになっています。
そこで今回は。
「癒しのBGM」ということで、特に気に入っているBGMチャンネル5つをご紹介させていただきます。
勉強や仕事の間の作業用BGMとして、またはやすらぎの時間にかけるBGMとして、ご活用いただければと思います。
おすすめのBGMチャンネル
BGM channel
【チャンネル名】
BGM channel
【特徴】
カフェで流れているような、ゆったりとしたジャズやピアノ曲が多くそろっているチャンネルです。
自宅にいながら、カフェで仕事をしているような気持ちにしてくれます。
【特にこんなときに聴きたい 】
気持ちがのりにくい朝の時間に聴くと、明るい気分で作業に入っていけるのでおすすめです。
【おすすめのBGM】
Relaxing Cafe Music - Jazz & Bossa Nova Instrumental Music - Music For Relax,Study,Work
BGM maker
【チャンネル名】
BGM maker
【特徴】
ピアノ、ハープ、オルゴールなどの音色でつくられた、儚い雰囲気のBGMが多くそろっています。
音色はもちろん、動画の画像も美しく、ビジュアル的にも癒されます。
【特にこんなときに聴きたい 】
勉強や仕事で疲れを感じ始めたときや、ちょっと気持ちを落ち着けたいときに聴きたいBGMです。
【おすすめのBGM】
【和風BGM】心温まる、和の癒し音楽【作業用・睡眠用BGM】
Marcene Josue
【チャンネル名】
Marcene Josue
【特徴】
気持ちを落ち着かせるヒーリングミュージックをそろえたチャンネルです。
シンプルな楽器音がBGMと調和しています。
【特にこんなときに聴きたい 】
作業中はもちろん、疲れを感じたときや、眠る前に聴くと気持ちが落ち着きます。
【おすすめのBGM】
スパなどで聞くBGM 寝るときに聞いてもとてもいい気持ちになれます【ストレス解消】
YellowBrickCinema
【チャンネル名】
YellowBrickCinema
【特徴】
主に瞑想用のヒーリングミュージックが多く用意されています。
メロディーの少ないシンプルなBGMが多めです。
再生回数が1億を超えるBGMもあります。
【特にこんなときに聴きたい 】
仮眠をとるとき。ヨガや瞑想をするとき。深く作業に集中したいときなどに聴きたいBGMです。
私は朝・晩のヨガと瞑想時によく利用させていただいてます。
【おすすめのBGM】
Study Music Alpha Waves: Relaxing Studying Music, Brain Power, Focus Concentration Music, ☯161
Forest of wing
【チャンネル名】
Forest of wing
【特徴】
雨、川、海、たき火など、「自然音」を中心にそろえているチャンネルです。
運営者ご自身で撮影されているようで、アップされている映像も音もとても高品質です。
音声のみではなく、「動画」というところも素晴らしいです。
【特にこんなときに聴きたい 】
作業中はもちろん、とにかくずっと流しっぱなしにしておきたいBGMばかりです。
自然の奏でる音楽の素晴らしさに、このチャンネルを聴くようになってあらためて気づきました。
私がふだん一番利用させてもらっているチャンネルがこの「Forest of wing 」です。
【おすすめのBGM】
まとめ
YouTubeで聴くことができる、「癒しのBGMチャンネル」を紹介させていただきました。
無料でこんなに素晴らしい音楽を聴けることに、チャンネル運営者とYouTubeに感謝です。
楽器は何もひけませんが、自分でもこのようなヒーリングミュージックを作れたらいいなと、ついつい夢想してしまいます。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
落書きでgif動画を作る方法
こんにちは、ケン・イケハです。
SNSなどで、ループでえんえんと流れているgif動画をよく見かけますが、あれを自分で作ってみたいと思ったことはありませんか?
写真を使うgif動画はともかく、絵を動かすgif動画は作成が大変そうですが、落書きレベルの絵でも簡単に作成する方法があるのです。
クオリティーの低さはおいといて、まったくの素人の私が試しに作ってみましたので、作成方法の紹介をさせていただきます。
gif動画を自作してみたい方のご参考になればと思います。
作成したgif動画
ではさっそく今回作成した3つのgif動画をお見せします。
gif動画の制作では、「動画」を使う方法と「静止画像」を使う方法がありますが、今回は「静止画像」に限定して、「写真」と「イラスト」を使って作成しました。
一つ目は過去に撮影した写真5枚で作成したものです。
gif動画のために撮影したものではありませんが、一応動きにはなっています。
二つ目は、スマホアプリを利用し、指で描いたイラストを使って作成したものです。
ネコの落書きを二枚くっつけました。
本当に落書きレベルですが、このくらいのクオリティーであれば、とても簡単に作成ができてしまいます。
三つ目は、PCのフリーソフトで描いたイラストで作成したものです。
イラストは2枚しか使ってませんが、一応走っているように見えますね。
gif動画の作成方法
①画像の用意
まずgif動画のための画像を用意します。
実際のところ、この画像の用意ができてしまえば、作業の9割は終わったようなものです。
画像は写真でもイラストでも、お好きなものをご用意ください。
イラストの描き方は、下の方であらためてご説明します。
②gif動画作成ツール
gif動画を作成するツールを調べたところ、あまりにも多すぎてどれを使えばいいのか迷ってしまうくらいでした。
最終的に、「無料」かつ「インストール不要」で、サイトに画像をアップするだけでgif動画が制作できるという、「バナー工房」のサービスを利用することにしました。
操作方法はあまりにも簡単なので、説明なしでも全然問題ないでしょうが、一応簡単に操作手順を載せておきます。
「GIFアニメを作る」をクリックすると、変換されたgifデータをダウンロードすることができます。
③ブログやSNSにアップ
はてなブログの場合は、普通の画像と同じように、gifデータをはりつけることができます。
追加で必要になる操作は何もありません。
LINEの場合は、gifデータのまま送ると静止画像と同じになってしまいます。
そのため、静止画像を選択し、元々そなわっているgif機能を使って送るようにします。
イラストの作成方法
イラストを作成する無料ツールは色々ありますが、今回はスマホ用とPC用で一つずつご紹介します。
アイビスペイント
イラストを描けるアプリは他にも色々ありますが、高機能でありながら、初心者でも使いやすいということで特に人気があります。
まずはアプリをダウンロードします。
使用にあたっては、こちらのサイトを参照させていただきました。
機能は色々あるのですが、落書き程度の絵であれば、使用する機能はそんなに多くありません。
試しでgif動画を作るのであれば、イラストは二枚でも十分です。
タッチペンを使わずに指で描く場合は、少し画面を拡大して描いた方がいいです。
指で線が隠れてしまうので、線のつながりがずれやすくなっています。
アイビスペイントの画面
メディバンペイント
次はメディバンペイントというソフトをご紹介します。
こちらは、PCでイラストを描ける無料のフリーソフトです。
無料でありながら、かなり本格的なイラストやマンガを制作することができます。
まずはソフトをダウンロードします。
スマホ用のメディバンペイントもあり、そちらも初心者の方に人気があるようです。
使用方法はこちらのサイトを参照させていただきました。
マウスでも描くことはできますが、安くてもタブレットとペンを使った方が格段に描きやすいです。
安いものであれば、5,000~10,000円程度でタブレットとペンを購入できます。
メディバンペイントの画面
ワコム Intuos Draw 【旧モデル】ペン入力専用 お絵描き入門モデル Sサイズ ホワイト CTL-490/W0
- 出版社/メーカー: Wacom(ワコム)
- 発売日: 2015/09/11
- メディア: Personal Computers
- この商品を含むブログ (2件) を見る
まとめ
落書きレベルの絵でも、単純なgif動画であれば簡単に制作できることがおわかりいただけたと思います。
今は無料で使える色々なツールがありますので、楽しみながらオリジナルのイラストやgif動画を作成してみてはどうでしょうか。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【数値が音になる】ビットコインバブルの音色をつくってみた
こんにちは、ケン・イケハです。
これまでの歴史で、色々なかたちのバブル(経済)が生まれてははじけてきましたが、ふと「バブルのはじける音ってどんなだろ?」と気になりました。
「バブル」というのは喩えなので、当然音なんてないのはわかっています。
でも。
バブルがはじけた時の相場グラフを見ていると。
崖から突き落とされたような急降下のグラフからは、積み上げられた富がガラガラ崩れる音とともに、人々の絶叫の声が響いてくるようです。
そこで。
この相場グラフを音に変換することができれば、バブルが生まれてはじけるまでの状況を「音」で感じられるのではないかと考えました。
色々と探した結果、「SAS Graphics Accelerator」という数値を音に変換する無料のツールを見つけましたので、過去2年分のビットコイン相場のデータをもとにして、「バブルの音色」をつくってみました。
音声動画を用意しましたので、もしご興味があればぜひ聞いてみてください。
バブルの音色
バブルの音色をつくるにあたり、利用するビットコインチャートの期間は2017年6月~2019年6月までとしています。
その中で、バブルが生まれてはじけたのは2017年12月~2018年1月の間です。
ではお聞きください。
バブル以降から現在までの期間も入れているので、後半がちょっと冗長になっています。
う~ん・・・
音が単調なせいか、バブルがはじける瞬間のインパクトはあまりありませんでした。
それでも、バブルが膨れるにつれ、人々のテンションが上がっていく様は垣間見えたような気がしますので、とりあえずこれでよしとしておきます。
ツールについて
今回使用した「SAS Graphics Accelerator」というツールは、アメリカのSASというデータ分析の会社で開発されたものです。
元々の用途は、目の見えない方のために、グラフや図表を音に変えて理解できるようにすることのようです。
なので音楽性はなく、音は単調なものになっています。
数値データを音に変換する方法
一応ご参考までに、数値データを音に変換する方法をご紹介します。
プログラミングなどのIT関連の知識はまったく必要ありません。
まず、こちらから「SAS Graphics Accelerator」をGoogle Chromeの拡張機能に追加します。
拡張機能に追加されると、画面の右上に水色のS字状のアイコンがあらわれます。
それをクリックすると下のような表示があらわれるので、「Laboratory」をクリックします。
テーブルを作る方法は色々あるようですが、CSVファイルを取り込む方法で作りました。
「Import Table」をクリックして、取り込みたいCSVファイルを選択します。
ちなみに、今回使用したビットコインチャートのデータは、下記のサイトから入手しています。
CSVファイルを取り込んだら、テーブルの名前をつけて「Save to Laboratory」をクリックします。
次にグラフ作成にはいります。
「Create Graph」をクリックします。
下のような画面が出てくるので、Bar chart(棒グラフ)などを選択し、最後に「submit(提出)」をクリックします。
すると、「ビットコイン相場」というタブが追加されていますので、それをクリックします。
ここまでくればもう終了です。
「shift」+「右方向キー」で、音がスタートします。
「Settings」でスピードなどの調整ができ、「Help」で画面操作方法などを確認できます。
まとめ
数値を音に変換する方法があるというのは、なかなか面白い発見でした。
数値を利用して、もう少しメロディーっぽく音を作る方法があれば、また別のデータで試してみたいと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【お金の価値が下がった世界でどう生きる?】「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」佐藤 航陽(著)
【本書から抜粋】
手段の多様化により人々が注力するポイントが「お金」という手段から、その根源である「価値」に変わることは予想できます。
価値を最大化しておけば、色々な方法で好きなタイミングで他の価値と交換できるようになっていきます。
こんにちは、ケン・イケハです。
最近、再び仮想通貨が注目を集めるようになっています。
仮想通貨などの新しいテクノロジーの登場により、お金の役割や社会がどのように変わっていくのかをあらためて考えたいと思い、佐藤航陽さんの「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」を再読しました。
著者は大学在学中にメタップスという会社を起業した実業家で、オンライン決済、データマーケティング等の事業や、「タイムバンク」といった新しい概念の事業の創出などをおこなわれています。
これらの事業を通じて得られた知見をもとに、「お金や経済とは何なのか」「お金の役割はどのように変わるのか」といったテーマで本書は書かれています。
おさえておきたいポイントをまとめましたので、「今後のお金と社会の変化」に興味をお持ちの方の参考になればと思います。
- おさえておきたいポイント
- 未来の方向性を決めるもの
- Fintech2.0とは
- 経済はネットワーク
- 経済システムの5つの要素
- 経済に持続性をもたらす2つの要素
- 経済と脳の関係
- 経済と自然の関係
- 自然がバランスよく成り立っている3つの要因
- 自然の秩序
- 創発的思考
- 分散化が社会を覆す
- シェアリングエコノミー
- トークンエコノミー
- トークン化する世界
- 3種類のトークン
- 自動化・分散化と自律分散
- AIとブロックチェーンを組み合わせたプロジェクト例
- お金の価値
- お金はツールの一つになる
- 資本主義から価値主義へ
- 価値の3分類
- 評価経済に違和感を感じる理由
- ソーシャルキャピタル
- 経済は選ぶことができる
- 人生に意義をもつことも価値となる
- 価値主義の世界のスタンダード
- 「儲かること」より「情熱を傾けられること」
- 熱中できることの見つけ方
- お金は道具にすぎない
- まとめ
おさえておきたいポイント
未来の方向性を決めるもの
・未来の方向性を決める3つのベクトルは、「お金」「感情」「テクノロジー」である。
・この3つのベクトルがそろっていないと、現実ではうまく機能しない。
・たとえば、他人の感情を無視した経済的な拡大はうまくいくことはない。
Fintech2.0とは
・Fintech1.0とは、すでに存在している金融の概念は崩さずに、ITを使ってその業務を限界まで効率化するようなタイプのものである。例として、ロボアドバイザー、スマホ決済、クラウドファンディングなど。
・Fintech2.0とは、これまでの金融の枠組み自体を無視して、全くのゼロベースから再構築するタイプのもの。例として、ビットコインなど。
・本書「お金2.0」は「Fintech2.0」にならっている。
経済はネットワーク
・経済は個人の欲望・欲求を起点に動く報酬(インセンティブ)のネットワークである。
このような動的なネットワークには二つの特徴がある。
①極端な偏り
上位の1%の富裕層が世界の富の半分を所有するように、所得でも消費でも極端な偏りが起こる。
②不安定と不確実性
全体が緊密につながり相互作用することで、遠くの国の出来事が自国の経済に大きな影響を与えるように、経済が不確実で不安定な状態になる。
経済システムの5つの要素
持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」には5つの共通点がある。
①インセンティブ(報酬が明確)
現代は3M(儲けたい・モテたい・認められたい)の3つの欲望が特に強く、これらを満たすシステムは急速に発展しやすい。
②リアルタイム(時間によって変化)
人間は変化が激しい環境では、緊張感を保ちながら熱量が高い状態で活動することができる。
③不確実性(運と実力)
不確実性が全くない世界では、想像力を働かせて積極的に何かに取り組む意欲が失われる。
④ヒエラルキー(秩序の可視化)
実際に広く普及した経済システムは、ヒエラルキーが可視化されている。年収、売上、価格、順位、身分、肩書など。
⑤コミュニケーション(交流の場がある)
参加者同士が交流して互いに助け合ったりする場が存在することで、全体が1つの共同体であると認識できるようになる。
SNSはこれらの5要素を完璧におさえている。
経済に持続性をもたらす2つの要素
①寿命
経済システムそれ自体の寿命をあらかじめ考慮しておくこと。
寿命がきたら別のシステムに参加者が移れるように、選択肢を複数用意しておくことで、安定的な経済システムをつくることができる。
例として、フェイスブックがワッツアップやインスタグラムのサービスも取り入れていること。
②共同幻想
参加者が共同の幻想を抱いている場合、システムの寿命は飛躍的に延びる。組織やサービスであれば、理念や美学みたいなものである。
経済と脳の関係
・経済システムを構成する要素がそのようになっているのは、脳の仕組みに関係している。
・生物は欲望が満たされたときに(三大欲求や他人に褒められたりなど)、脳から快楽物質を分泌する。それにより、生物を色々な行動に駆り立てる。
・脳内の報酬系の仕組みをフル活用した装置が、ゲームである。
経済と自然の関係
・経済のメカニズムと最も似ているのが「自然界」である。弱い者はすぐに淘汰される。
・自然が経済に似ているというよりも、経済が自然に似ていたからこそ、資本主義がここまで広く普及したと考えられる。
自然がバランスよく成り立っている3つの要因
①自発的な秩序の形成
簡単な要素から複雑な秩序が自発的に形成される。例として、水が自然に六角形の結晶になる。
②エネルギーの循環構造
生物は食事などで外部からエネルギーを取り入れ、活動や排せつを通して外部に吐き出す。
③情報による秩序の強化
情報が内部に保存されることで、構成要素が入れ替わっても同じ存在であり続ける。
自然の秩序
・自然の中に社会、社会の中に人間、人間の中に細胞といったよういに、入れ子のような構造になっている。
・自然の構造に近いルールほど社会に普及しやすく、かけ離れた仕組みほど悲劇を生みやすい。
創発的思考
・経済・自然・脳のように、複数の個が相互作用して全体を構成する現象は、「創発」と呼ばれる。
・今後はこのような「創発的思考」ともいえる思考体型が必要になってくる。
分散化が社会を覆す
・これからの10年でお金や経済の世界で最もインパクトのある現象は、「分散化」である。
・既存の経済や社会は「分散化」の真逆の「中央集権化」から成るので、「分散化」は既存のシステムを根本から覆す概念である。
・「分散化」が進んでいくと情報やモノの仲介では価値を発揮できず、独自に価値を発揮する経済システムそのものを作ることができる存在が大きな力をもつ。
・グーグルなどのIT企業は、分散化の中で力をつけていく「個人」をサポートする側に回ることで、自らも力をつけるという戦略をとっている。
シェアリングエコノミー
・シェアリングエコノミービジネスは、分散している状態でネットワーク化した社会での成功例の典型。
・運営者に必要なのは、サービスや商品を提供することではなく、「黒子」として個人をサポートしていくこと。いかに優れた経済システムを設計できるかが全て。
・これまでの「代理人型社会」とこれからの「ネットワーク型社会」のよいところを混ぜたハイブリッド型モデルと言える。
トークンエコノミー
・シェアリングエコノミーをさらに推し進めたのが、トークンエコノミー。この2つは「分散化」という大きな流れの延長線上に存在する。
・トークンとは、仮想通貨やブロックチェーン上で機能する独自の経済圏をこう呼ぶようになったが、正確な定義があるわけではない。
・トークンエコノミーと既存のビジネスモデルの大きな違いは、経済圏がネットワーク内で完結している点である。
特定のネットワーク内で流通する独自の通貨をトークンとして生産者が発行して、完全に独自の経済圏を作り出すことができる。
・大規模なトークンエコノミーの例としては、カナダ発のメッセンジャーアプリ「Kik」が発行する「Kin」が期待されている。
トークン化する世界
・トークンはバーチャル空間上のデータにすぎないが、現実世界の資産と結びつけることで、あらゆるものの価値を可視化することができる。
・例えば、影響力、信用、好意、時間、デジタルコンテンツ、文字などの社会的な概念などである。
3種類のトークン
②配当型トークン
収益の一部をトークン所有者に分配するトークン。
③会員権型トークン
保有している人が特別な割引や優待を受けられるトークン。
最も規模が大きく、最も成功しているトークンエコノミーは、ビットコインである。
自動化・分散化と自律分散
・世の中の膨大なデータにより進んでいく「自動化」と、ネットワーク型社会に移行することで起きる「分散化」という2つの大きな流れは、今後の10年を考えるうえで非常に重要になる。
・この2つが混ざったときに起こる「自律分散」というコンセプトが、多くの産業のビジネスモデルを覆すことになる。
・自律分散とは、「全体を統合する中枢機能をもたず、自律的に行動する各要素の相互作用によって全体として機能する仕組み」と定義されている。典型的な例が、インターネットやビットコインである。
AIとブロックチェーンを組み合わせたプロジェクト例
・「Numeral」はAIとブロックチェーンによって運営される無人のヘッジファンドである。
・協力して成果をあげた匿名のデータサイエンティストに、自動的に発行されるトークンが報酬として分配される。
・中国企業「BingoBox」が完全に無人のコンビニをオープンしている。スマホ、WeChat、IoT、信用スコアなどを組み合わせてサービスを可能にしている。
お金の価値
・いまは金融マネーが滞留し始めており、相対的にお金の価値そのものが下がり続けている。
・逆に、信頼や時間や個性のようなお金では買えないものの価値が、相対的に上がってきている。
お金はツールの一つになる
・ITの発達で紙が記録手段の1つの選択肢になったように、「お金」も価値媒介手段の1つになりつつある。
・価値を保存・交換・測定する手段は、お金である必要はなくなっている。
・人々が注力するポイントが「お金」から「価値」に変わることが予想され、価値を最大化しておけば、色々な方法で好きなときに他の価値と交換できるようになる。
・「価値」とは商品のようなものであり、「お金」とは商品の販売チャネルの1つみたいなものである。
資本主義から価値主義へ
・今後は可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できる。
・価値主義では価値を最大化しておくことが最も重要。価値には、実用性のあるものだけでなく、感情や共感・信用などの観念的なものも含まれる。
・お金は価値を変換したものにすぎず、価値を媒介する1つの選択肢にすぎない。
価値の3分類
①有用性としての価値
役に立つかどうかの観点で考えた価値。
②内面的な価値
愛情・共感・興奮・好意・信頼など、個人の内面的な感情に結びついた価値。
③社会的な価値
社会全体の持続性を高めるような価値。
評価経済に違和感を感じる理由
・「評価」「信用」と「注目」「関心」が混同されていることが多い。SNSのアクセス数やフォロワーなど。
・評価経済はメリットも多いが、行きすぎると資本主義と同じように問題は起こりうる。
ソーシャルキャピタル
・ソーシャルキャピタルは、「社会的なネットワーク」を「資産」と捉える考え方。
・これからは、ソーシャルキャピタルを増やすのに長けた人も大きな力をもつようになる。
経済は選ぶことができる
・複数の経済システムは並存し得る。
・何に価値を感じて、どんな資産を蓄え、どんな経済システムの中で生きていくのかも、自分で選んで決められるようになる。
人生に意義をもつことも価値となる
・欲求不満の少ない現在のような満たされた世界では、人生の意義や目的こそが逆に「価値」になりつつある。
・人生の意義や目標を他人に与えられる存在も、価値がどんどん上がっていくことになる。
価値主義の世界のスタンダード
・「好きなことに熱中している人ほどうまくいきやすい」世の中に変わっていく。
・いまの経済の中では産業の構造の変化も乏しいので、若い世代が競争していくのは相当分が悪い。
・資本主義では認識がされにくかった、「内面的な価値」に絞って活動をしていくのが生存戦略の観点からもよい。
「儲かること」より「情熱を傾けられること」
・金銭的なリターンを考えるよりも、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになる。
・他人に伝えられるほどの熱量をもって取り組めることを探すことが、実は最も近道。
・内面的な価値では、独自性や個性が最も重要なので、他の人の背中を追う意味は薄くなる。
熱中できることの見つけ方
・1日中やっていても苦痛ではないことを探す。
・他人から異常に詳しいと言われることなどにもヒントがある。
お金は道具にすぎない
・お金がうまく扱えず困っている人ほど、お金に特別な感情を抱いていることが多い。
・お金や経済を扱うためには、お金と感情を切り離して1つの「現象」として見つめ直すことが近道。
まとめ
とても示唆に富む内容が多くある一方で、なかなかイメージのしづらい点も多くあります。
その理由は、本書で語られている社会は、いまはまだ姿が見え始めたところで、誰も経験をしたことがないからだと思います。
人からの評価や信用をもっている人が、それをお金に変える手段は登場しています。
しかしそれらは、今のところお金を得る手段の一つにすぎず、トークンではなく法定通貨を得ることで成り立っており、基本的に貨幣中心の経済の中で動いています。
では、いまだ実現していない社会を語っても意味がないのかと言えば、そうではありません。
本書の中でアインシュタインの言葉として、「空想や想像力は知識よりも重要」ということが書かれています。
人間はどんな空想も現実に変えることができるということです。
なので
「評価経済や価値主義のような社会になるわけがない」
と考える人は、これまでの常識に従い、これまでとおりのルールでお金を稼ぎ、これまでとおりの生き方をすればよいと思います。
一方で。
「評価経済や価値主義のような社会を見てみたい」
と考える人は、自分の熱中できるものを探し、目先のお金よりも内面的な価値を重視した活動に注力していけばいいと思います。
本書で示されている未来はまだ明確なかたちのあるものではなく、想像力をもって、作り上げていく過程にあるということでしょう。
信用しないでこれまでとおりのルールで生きるか。
あるいは、好奇心をもって、リスクをとりながらも自分の情熱をそそげることに挑戦してみるか。
どちらが正しいという正解はなく、選ぶのは自分です。
周りから無意味だと笑われても、私は後者を選びたいと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/29
- メディア: Kindle版
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【仮想通貨の可能性】「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」堀江貴文(著)、大石哲之(監修)
【本書から抜粋】
日本円の貯金は1円もないのに、仮想通貨や信用の貯金だけで、遊びを仕事にして円建ての生活とまったく変わらないレベルで暮らしている。そういう人が、これからもっと増えていくだろう。
こんにちは、ケン・イケハです。
最近、仮想通貨がたびたびニュースにとりあげられ、再び注目を集めています。
「暗号資産」への名称変更。
ビットコインの急激な高騰。
フェイスブックが仮想通貨「リブラ(Libra)」を使った金融サービス開始を発表。
などなど。
そして本日はこちらのニュースも。
バブルがはじけたように、一度は下火になったと思われた仮想通貨。
でも、仮想通貨はただの儲けを目的にした投機商品ではなく、社会のインフラに大きな影響を与えるのはようやくこれからなのだと、多くの方が考えられているのではないでしょうか。
仮想通貨の役割や社会への影響をあらためて知りたいと思い、堀江貴文さんの「これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話」を読みましたので、特におさえておきたい内容をご紹介させていただきます。
ちなみに本書は、「仮想通貨の取引でお金を稼ごう」というような趣旨の本ではありません。
これまでの国が発行する通貨を中心とする秩序が、仮想通貨や評価経済などの普及により、どのように変わっていく可能性があるかが語られた内容です。
仮想通貨を通じた今後の社会の変化について、今一度考える参考になればと思います。
おさえておきたいポイント
仮想通貨はテクノロジーのひとつ
・仮想通貨は、貯金や投資に代わる画期的な財テク術ではない。
・仮想通貨は、これからの未来を豊かな方向へデザインするテクノロジーのひとつである。
仮想通貨が流行るきっかけは「投機」でもいい
・日本で仮想通貨が流行ったのは、それが投機の対象として魅力的だったから。
・結果的に便利な世の中が形成されることが最も重要なので、仮想通貨が普及するきっかけは投機であってもいい。「流動性が上がる」点でも意味がある。
仮想通貨から見えるお金の本質
・仮想通貨という存在は、これまでお金を絶対視して、お金に縛られていた多くの人たちに、「お金というものの本質」について“気づきの芽”をもたらす可能性がある。
・お金というのは、人の共同幻想の産物である。それに価値があると信じればお金になってしまう。
お金と信用力
・お金は信用を数値化したものである。
・信用してくれる人の数が多いほど、その人は価値のある人ということになる。それはモノでも同じである。
・仮想通貨が持つ信用力とは、数学的なテクノロジーによる裏付けである。
堀江さんがもっている仮想通貨
・堀江さん自身は、NEMやイーサリアムなどでごく少額の仮想通貨をもっているだけ。
・自分でお金を払って購入したものではなく、もらったビットコインで手に入れたものである。
・仮想通貨の経済圏の中だけで考えているので、円換算の値動きなどは気にしていない。
世界には国を信じない人々が多くいる
・日本円が強力なので日本人はわかりにくいが、自国の通貨が信用できない状況にある人々が世界中にたくさんいる。
・大半の途上国では、その国の通貨より、ドルでチップを渡した方が確実に喜ばれるだろう。
・中国では土地の所有権が政府にあり、通貨も本質的に同じだとわかっている。人民元切り下げの際に、富裕層の資金が一気にビットコインに流れたことからもそれがわかる。
仮想通貨を持つことのメリット
・堀江さんは、仮想通貨を強く勧める気持ちはまったくない。
・しかし、日本円だけで暮らしているとなかなか実感できない、世界中の人々のお金に対する意識や感覚を学ぶ上では、ひとつのメリットがあるかもしれないと考える。
ライブドア時代の構想
・堀江さんはライブドア時代に、株式分割をくり返すことで、1株を10円や1円まで価値を下げたらどうなるか考えていた。
・ライブドアが小売業や農業など多角的に展開すれば、現金の代わりにライブドア株でものが買えるエコシステムが完成するかもしれない。そのようなバーチャル国家を作ってみたいという考えがあった。
仮想通貨は国家が干渉できない
・通貨発行権は国民国家の主権に密接に関わっているので、国家は本能的にそれを潰しにかかる。
・ビットコインは中央管理者がおらず、政府が干渉できない仕組みを作ってしまった。
仮想通貨が衰退するとしたら
・仮想通貨が衰退する理由は、「地球が滅ぶ」くらいしか考えられない。
・仮想通貨が不安で、ビットコインが嫌であれば、ドルやその他のアルトコインなどに換えればいい。
・普通のお金でも盗まれる可能性があり、銀行がつぶれたり、国がデフォルトする可能性がある。未来永劫続く正解なんてない。
仮想通貨の注意点
・秘密鍵を解除するパスワードを忘れて、仮想通貨を取り出せなくなることが多い。
・堀江さんはパスワードを失念して、数千万円(2018年初旬の時点)の価値があるイーサリアムを取り出せなくなっている。
仮想通貨の世界は人間ではなくプロトコル(機械)が中心
・既存の会社組織は、経営者たちが方針を決め、それに従業員が従う。中心に人間があり、周囲にも人間があるという考え方。
・仮想通貨の場合は、組織の中心に変更不可能な契約やプロトコルがあり、それに人間が従う。中心にプロトコル(機械)があり、周囲に人間があるという考え方。
・中心にブロックチェーンがあり、そのプログラムに従ってメンテナンスを続けることで、人は報酬を得ることができる。
ICO
・ICOはまだ法整備があまり進んでいないので、詐欺コインが多い。
・2018年4月に発表された統計によれば、ICOの81%が詐欺だとされる。プロジェクトが失敗したりもするので、実際に上場されるのは全体の8%しかない。
・上場されたとしても、ICO時の価格よりも下がることが多い。
・一方で企業側のメリットとして、株と違ってICOでは投資をした人は議決権を得られないので、買収をされることがない。
ポイントサービス
・銀行が発行する仮想通貨よりも、各社が導入している共通ポイントサービスの方が流行る可能性があると考える。
・楽天ポイントやTポイントがあるが、利用者が多く完全なトークンとなっている。
・楽天から、楽天ポイントとブロックチェーンを組み合わせた「楽天コイン」の構想が発表されている。
シェアビジネスとトークン
・シェアリングエコノミーとは、個人が保有する遊休資産(スキルなども含む)の貸出を仲介するサービスである。
・シェアリングエコノミーをさらに発展させたのが、トークンエコノミー。
サービスを提供したい側が、貨幣の代わりにトークンを発行し、それをユーザーが購入することでトークンに価値が生まれる。
・国家が担当してきた経済運営の縮小版を、トークンを用いて手軽にできるのが、トークンエコノミーの大まかな構造である。
クラウドファンディング
・クラウドファンディングには寄付型、投資型、購入型の三種類があり、日本ではリターン報酬を保証した購入型が最も活用されている。「Readyfor」「CAMPFIRE」など。
・普通なら大金を集められそうにない、でも志と実現ビジョンは明確に持っている者が、クラウドファンディングを使うことで、夢を叶え、仲間を増やしたりしている。
・クラウドファンディングは資金集めの代用案程度にとどまるものではなく、スマート物々交換で経済活動がまわるような、そういった経済循環を多様にするサービスだと考える。
VALU
・VALUは個人の信用・評価を、株式のように「価値取引」できるサービスである。
・価値は市場が決めるので、よくわからない力学や恣意が働く、出世査定やオーディションとはまったく違うもの。
・VALUで調達した資金で事業が成功しても、出資者に利益を配当することは禁じられている。純粋に応援する気持ちや、信用・評価だけで出資ができる仕組みになっている。
・純粋な気持ちで応援してくれる人を増やせば、「好きなことだけで生きていく」人生は、誰にだって可能。VALUはそのサポートに役立つ最適なサービス。
働く必要がなくなりつつある
・現代人は、働いていないと金は得られないという常識にとらわれている。
・仕事や機会を奪うのは、テクノロジーではなく、人々が勝手に作り出した幻想。
・お金はすでに大量にあり余っていて、人が働く必要は急速に消えつつある。
お金より重要になる価値とは
・テクノロジーのおかげで、人が汗水垂らして働かないといけない場面はどんどん減っている。
・お金の出番が少なくなり、お金の価値は下がっている。
・そんな社会で豊かになれる人は、お金との交換ができない独自の価値基準をもっている人である。
・ノウハウやプレミアムなスキルなど、他の人が簡単に入手できないものを装備すること。それがお金では代替できない価値を生み出すのである。
人間にしかできないこと
・ロボットにはできず、人間だけができること、それは遊びである。21世紀は、仕事と遊びの境界が溶けてきている時代。
・いやいや仕事している人は極端な話、社会の発展を邪魔している。不満が出る安い仕事をする人がまだたくさんいるから、全体的な機械化が進まない。
評価経済社会で生き残るために
・評価経済社会が進むと、お金に換算できない評価を多く集めた人が残っていく。
・信用が通貨に代わるわけではないが、信用の概念をみんなで共有できれば、通貨だけに頼る必要はなくなってくる。
・今のところ、仮想通貨やトークンエコノミーが、信用の共有の実践に便利だということである。
・「最強伝説 黒沢」の黒沢のように、冴えない非モテの人間でも、がむしゃらに行動しまくれば評価と信用は集まってくる。
・評価経済社会だろうと、いまの通貨主義社会だろうと、動かない者が負けるという真理は変わらない。
仮想通貨の可能性
・仮想通貨は改善改良すべきところはいくつもあり、万能ではないが、国家発行の通貨に頼らず、世界中の人たちが望む幸せを得るのに最適なツールになる。
・仮想通貨の完璧な使い方はまだ誰も見つけていないので、いまはみんなの知恵と実践で探していこうという段階である。
まとめ
堀江さんは、仮想通貨をあくまでも、社会を便利にするためのツールとして捉えられていることがよくわかりました。
国や既存の金融機関などの秩序を超えて、評価経済のもと、世界の個人が自由につながり、新しい形の社会・経済圏を作りだしていく可能性が、仮想通貨を支えるテクノロジーにはあります。
堀江さんはその可能性に胸をわくわくさせていること。自分以外の人たちも、目先のお金ではなく、そういった“ノリ”を大切にしてほしいと願っていることが、本書からとても伝わってきました。
「仮想通貨でどれだけ儲かるか」といった視野の狭い見方ではなく、「新しい社会を作り出す試みにふれていく」という広い見方で、仮想通貨と向き合っていこうと本書を読んで思いました。
仮想通貨に興味をお持ちの方の参考になればと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【歯を削る危険性】名医は虫歯を削らない 小峰一雄(著)
【本書から抜粋】
実は海外では、20歳以下の子どもの歯は削ってはならないというのが常識になっています。なぜなら成長期の子どもの永久歯を削ってしまうと、30歳までに抜歯することになる確率が大変高いということが、統計的にも明らかになっているからです。
こんにちは、ケン・イケハです。
日本では歯医者の数はコンビニよりも多くなっており、私たちにとってとても身近な医療機関となっています。
多くの方が、一度は歯医者さんのお世話になったことがあるでしょう。
そんな中で、「歯は削るとますますひどくなる」という話を聞いたことはないでしょうか?
保険医療が充実しているといいながら、70歳の方の歯の状況はというと、日本人はアメリカ人の半分の本数しか歯が残っていないという現実があります。
これは、歯を削りすぎる日本の歯科治療の弊害があらわれたものと考えられています。
歯科医の臨床経験を通じて、このような現状を目の当たりにし、「真に患者のためになる治療」を目指して取り組まれているのが、今回ご紹介する本の著者である小峰一雄先生です。
小峰先生の著書「名医は虫歯を削らない」から、おさえておきたい内容をご紹介いたします。
なお、医療情報は真偽の判断が専門家の中でもはっきりしないものが多くありますので、あくまでも参考情報として、本書の内容を受け取っていただければと思います。
おさえておきたいポイント
日本の歯医者は歯を削らないと儲からない
・日本の医療保険制度では、歯医者は歯を削らないと儲からない仕組みになっている。
・予防歯科は基本的に保険適用ではないので、歯医者が予防に力を入れても儲からない。
歯を削る治療では歯は治らない
・著者も当初は歯を削る一般的な治療をおこなってきたが、治療後も再来院する患者が後を絶たず、削れば削るほど患者の歯を悪化させていると実感した。
歯を削ると歯の寿命が短くなる
・歯を削ると、エナメル質が削られて、ますます虫歯になりやすくなる。
・成長期の子どもの永久歯を削ってしまうと、30歳までに抜歯する確率が大変高いことが統計で明らかになっている。
・歯を削った瞬間から、歯を抜く日へのカウントダウンが始まる。
歯の神経を抜くことの悪影響
・歯の神経は、歯に必要な栄養や水分をはこぶ働きをしている。
・歯の神経を抜くと、歯は死んだような状態になり、簡単に折れてしまうことがある。
歯を抜くことの悪影響
・歯を抜くと、かむ力が弱まり、脳への刺激が弱まることから、認知症になったり、身体機能が低下すると言われている。
・抜いた歯の周囲の骨が崩れて、周りの歯がグラグラになり、顔の輪郭が変わって入れ歯が合わなくなったりする。
食後すぐに歯を磨いてはいけない
・独自のアンケート結果で、食事の後すぐに歯磨きをしている子どもほど虫歯が多いということがわかった。
・食後すぐに歯を磨くと、食事による酸でやわらかくなったエナメル質を削り、再石灰化を妨げる、と考えられている。
・食事がすんで30分以上経ってから、歯磨きをすることをすすめている。
砂糖は虫歯の大きな要因
・虫歯予防には、歯磨き以上に食事内容や生活の見直しが重要。
・砂糖の摂取をおさえれば、虫歯の約9割は予防できると考える。
・砂糖をとらなくても、糖分を含む炭水化物などを多く食べると虫歯になりやすい。
歯を削らないドックベスト療法
・ドックベスト療法は、アメリカで開発されたもので、歯を削らずにドックベストセメントという薬で治療する。
・普通の歯医者にあるような大がかりな設備はいらず、痛みもほとんどなく、治療時間はわずか10分で済む。
・ドックベストセメントはミネラル成分からできていて、歯の再石灰化を促し、自然治癒力で虫歯を治す。
ドックベスト療法の問題点
・日本ではまだまだ治療を受けられる施設が少ない。
・正しい技術を習得できていない歯医者もいる。
・自費治療なので、保険治療に比べると高い。(しかし保険治療では後々再治療をくり返すので、トータルでみると割安と考える)
ドックベスト療法が普及しない理由
・虫歯が自然治癒力で治ると、歯医者や歯科の関連企業が儲からなくなる。
・ドックベスト療法の効果を無視する風潮が、歯科関係者の中にある。
医療保険制度や医療関連団体の問題点
・歯科だけでなく医科にとっても、いまの医療保険制度は製薬会社や医療機器メーカーが儲かるための制度になっている。
・医療は年々進歩しているのに、なぜか病人はますます増えている。
・患者の病気が自然に治ると製薬会社や医療機器メーカーは儲からないので、必要のない検査やクスリ、新しい病名を増やしているのではないか。
歯の残存数と医療費の関係
・歯の残存数が多い方ほど、年間の医療費が少なくてすむ傾向がある。
・失った歯が多い方ほど、病気をかかえている確率も高いと考えられる。
まとめ
前回ご紹介した「やってはいけない健康診断」に共通しているのは、どちらの著者も、「患者を軽視したお金儲け主義になっている医療」に対してメスを入れようとされている点です。
この本に書かれていることが全て正しいとは断言できませんし、あるいは科学的に誤った内容ももしかしたら含まれているかもしれません。
それでも、自分自身の体や健康について、思考停止状態で医療関係者に丸投げしている状況は、非常にリスクが大きいのではないかと、考える契機になればと思います。
本来は必要でない治療やクスリを受けることにより、失うお金や健康の代償は、一生を通じて莫大なものになります。
100年時代を生き抜くうえで、お金と健康の寿命をのばすために本当に必要なものは何なのか、情報を見極める力を身につけていきたいと思います。
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【健康診断は患者増産ビジネス!?】やってはいけない健康診断 近藤誠、和田秀樹(著)
【本書から抜粋】
結局ね、医者、製薬会社、医療機器メーカー、官僚、みんな医療のパイを大きくして利益を得たいわけ。
だから健診をはじめとする“患者増産策”をいろいろ考えだして、必要のない治療やクスリを患者に押しつけてきたわけです。
こんにちは、ケン・イケハです。
世の中には、必要だという根拠がないにもかかわらず、偽りの「善」の仮面をかぶって、当たり前のように人々におしつけられているものが多くあります。
たとえば、無理にやせようとするダイエット。
でも、「やせている人」より「ちょっとメタボな人」の方が、実は寿命が長いという研究結果があることをご存知でしょうか?
無理なダイエットにより寿命が縮むリスクがあるなんて、信じがたい話かもしれません。
そして今回とりあげる「健康診断(以下、健診)」も、寿命のアップにまったく役立っていない、という調査結果が多く出ているようです。
医師の近藤誠先生と和田秀樹先生の共著、「やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」」の内容から、参考になりそうな情報をご紹介いたします。
しかし、医療や健康に関する情報は、専門家の間でも意見が大きく分かれているものなので、この本の内容が100%正しいとは断言できません。(逆に間違っているとも断言できません)
情報をすべてそのまま鵜呑みにするのではなく、世の中に流布している医療や健康情報が本当に正しいのかと、考えるきっかけにしてもらえればと思います。
おさえておきたいポイント
職場健診は日本だけの「奇習」
・職場健診や人間ドックなどは、「定期的に検査をしたら寿命を延ばせるだろう」という思いつきから始まった。
・「健診を受けると寿命が延びる」という証拠が何も出ていないので、欧米では実施されていない。
・1970年代に「労働安全衛生法」ができて、社員に健診を受けさせることが会社の義務になった。
・会社は簡単に社員をクビにできないけど、健康診断の結果を使って排除ができるという、便利な使い方もある。
健診の基準値には根拠がない
・健診の基準値には、特に明確な根拠があるわけではない。
・血圧の基準値のように、製薬会社と行政の癒着で、政治的に基準値を下げているケースもある。
・基準値を低く厳しくした方が、健診で「異常」がでる人が多くなるので、治療を受ける患者が増え、病院や製薬会社が儲かる、という狙いがある。
・こういう理由から、「健診は健康人を病人に仕立てる錬金術」と近藤先生は考えられている。
コレステロールが高めの人の方が長生き
・東京都小金井市の15年にわたる調査で、「コレステロールは高めの方が長生き」という調査結果が発表された。
しかし、学会はこの調査結果を無視している。
・欧米の調査でも、クスリなどでコレステロールを下げると、心臓病死亡のリスクが減る一方で、自殺、事故、がんのリスクが大きく上がる、という結果になった。
・コレステロールは悪玉も善玉も、低い人の方が早死にしやすいという結果がでている。
小太り・メタボな人よりも、やせている人の方が早死にする
・肥満は病気の原因になることばかり強調されていますが、実は「やせすぎ」の人が一番がんになりやすいし、早死にしやすいという調査結果がでている。
・一方で、「小太りでメタボに該当する人たちが一番長生き」という調査結果がでている。
・肉も野菜も糖質もバランスよく食べて「やせない」ことが、正常細胞を強く保ってがんを暴れさせないこつ。
・「やせるといいことがある」「やせてるほうが美しい」というのは、金儲け主義のコマーシャリズム、と言われても仕方がない。
高血圧の治療薬で逆に死亡率がアップ
・高血圧の患者を対象にした調査で、治療薬(降圧剤)を使用した方が、逆に死亡率がアップするという結果になった。
それでも学会は、高血圧の基準値などの見直しをおこなわない。
・年をとるほど血管は硬く細くなるので、血圧が少し上がらないと脳にきちんと酸素が届かない。
それをクスリで無理に血圧を下げると、脳の働きが落ちてしまう。
・高血圧の人に降圧剤を飲ませると、脳梗塞が50%も増えるという試験結果もある。
詐欺的に巧みなネーミング
・「生活習慣病」というネーミングは、ライフスタイルを変えれば予防できるという誤ったイメージを植え付け、健診を盛んにする効果がある。昔は「成人病」という名前だった。
・「インフルエンザ脳症」の正式名は「ライ症候群」。
実際は解熱剤の副作用で起こるのに、あたかもインフルエンザが原因で起こると誤解させるネーミングをつけて、ワクチン接種の需要をのばすことに成功した。
・「フィンランド症候群」というのは、定期健診を受ける人ほど早死にしたという、フィンランドの研究結果からつけたネーミング。
世界中の人に適用できるはずなので、「健診症候群」というような名前にしてもよさそうなところを、あえてフィンランドの特殊事情と思わせるようなネーミングにされている。
放射線検査の発がんリスク
・健診は寿命が延びる効果が確認できていないうえに、胸や胃の放射線検査が行われるので、発がんリスクを増やすことになる。
・がんで亡くなった日本人の3.2%は、医療被ばくが原因と推定されている。
健診は公共事業
・職場健診やがん検診は、土木工事なんかと同じ“公共事業”。
・税金から資金を補助し、産業を保護・育成している。それこそが、行政の真の目的ではないか。と近藤先生は考えられている。
血圧の基準値
・1970年代まで、血圧の基準値は年齢+90~100とされていた。70歳なら血圧が180くらいまでクスリが出なかった。
・その後WHOは、血圧の基準値を段階的に下げて、90/140まで下げた。
新基準作成にかかわったWHOの方の多くが、製薬業界からカネを受け取っていたことがわかっている。
・血圧の基準値を10下げるだけで、日本の高血圧患者があらたに1000万人生まれ、 降圧剤の売上が激増した。
糖尿病の誤解
・糖尿病患者の多くは、ただ血糖値が高いだけとされている。
・血圧やコレステロールと同じで、血糖値も、高めの人の方が気力・体力が充実している傾向がある。
・糖質制限を長期間続けると、死亡リスクが高くなり、かつ健康への効用は認められない、という結果がでている。
最高の健康法とは
・「最高の健康法は生涯働くことではないか」と近藤先生も和田先生も考えられている。
・長野県民は平均寿命が全国トップレベルで、70歳以上の人の就業率も全国トップ(4人に1人は働いている)という、寿命と就業率の相関関係が明らかになっている。
・逆に、高齢者の就業率が低い県は、老人医療費も高くなっている。
まとめ
医療業界への不信を募らせる内容でしたが、十分にありうる話だというのが、本書を読んで率直に感じたことです。
その一方で。
誠心誠意、患者のために日々の治療にあたられている医師の方も多くいらっしゃると思いますので、この本の内容が事実でないといいのに、と思う気持ちもあります。
でも、この本に書かれていることがいくらかでも本当であれば、無駄な医療費で家庭の資産を削ることもなく、かつ、何よりも大事な私たちの健康を守るのに役立つのではないかと思い、今回ご紹介させていただきました。
会社員の方は、健康診断を拒否するのが難しいと思いますが、仮に「異常数値」が出たとしても、その後の病院からの指導に対して、無用だと思えば、せめてクスリを飲むのを避けるなどの回避方法はあるかもしれません。
「こんなのトンデモ本だ!」という意見もあるでしょう。
本書の内容をどうとらえるかは、ご自身でご判断ください。
最後に、本書からの言葉を引用して締めくくりたいと思います。
「やってはいけない健康診断、やってみるべき生涯現役」
ということで、今回の記事は以上になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」 (SB新書)
- 作者: 近藤誠,和田秀樹
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2018/03/06
- メディア: 新書
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