どうやらこれは遊びらしいぞ

【健康診断は患者増産ビジネス!?】やってはいけない健康診断 近藤誠、和田秀樹(著)

やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」 (SB新書)

 

【本書から抜粋】

 

結局ね、医者、製薬会社、医療機器メーカー、官僚、みんな医療のパイを大きくして利益を得たいわけ。

だから健診をはじめとする“患者増産策”をいろいろ考えだして、必要のない治療やクスリを患者に押しつけてきたわけです。


こんにちは、ケン・イケハです。

 

世の中には、必要だという根拠がないにもかかわらず、偽りの「善」の仮面をかぶって、当たり前のように人々におしつけられているものが多くあります。

 

たとえば、無理にやせようとするダイエット

 

でも、「やせている人」より「ちょっとメタボな人」の方が、実は寿命が長いという研究結果があることをご存知でしょうか?

 

無理なダイエットにより寿命が縮むリスクがあるなんて、信じがたい話かもしれません。


そして今回とりあげる「健康診断(以下、健診)」も、寿命のアップにまったく役立っていない、という調査結果が多く出ているようです。

 

医師の近藤誠先生と和田秀樹先生の共著、「やってはいけない健康診断 早期発見・早期治療の「罠」」の内容から、参考になりそうな情報をご紹介いたします。


しかし、医療や健康に関する情報は、専門家の間でも意見が大きく分かれているものなので、この本の内容が100%正しいとは断言できません。(逆に間違っているとも断言できません)

 

情報をすべてそのまま鵜呑みにするのではなく、世の中に流布している医療や健康情報が本当に正しいのかと、考えるきっかけにしてもらえればと思います。

 

 

おさえておきたいポイント

職場健診は日本だけの「奇習」

・職場健診や人間ドックなどは、「定期的に検査をしたら寿命を延ばせるだろう」という思いつきから始まった。

「健診を受けると寿命が延びる」という証拠が何も出ていないので、欧米では実施されていない。

・1970年代に「労働安全衛生法」ができて、社員に健診を受けさせることが会社の義務になった。

・会社は簡単に社員をクビにできないけど、健康診断の結果を使って排除ができるという、便利な使い方もある。

 

健診の基準値には根拠がない

健診の基準値には、特に明確な根拠があるわけではない

血圧の基準値のように、製薬会社と行政の癒着で、政治的に基準値を下げているケースもある。

基準値を低く厳しくした方が、健診で「異常」がでる人が多くなるので、治療を受ける患者が増え、病院や製薬会社が儲かる、という狙いがある。

・こういう理由から、「健診は健康人を病人に仕立てる錬金術と近藤先生は考えられている。

 

コレステロールが高めの人の方が長生き

・東京都小金井市の15年にわたる調査で、コレステロールは高めの方が長生き」という調査結果が発表された。
しかし、学会はこの調査結果を無視している。

・欧米の調査でも、クスリなどでコレステロールを下げると、心臓病死亡のリスクが減る一方で、自殺、事故、がんのリスクが大きく上がる、という結果になった。

コレステロール悪玉も善玉も低い人の方が早死にしやすいという結果がでている。

 

小太り・メタボな人よりも、やせている人の方が早死にする

肥満は病気の原因になることばかり強調されていますが、実は「やせすぎ」の人が一番がんになりやすいし、早死にしやすいという調査結果がでている。

・一方で、「小太りでメタボに該当する人たちが一番長生き」という調査結果がでている。

肉も野菜も糖質もバランスよく食べて「やせない」ことが、正常細胞を強く保ってがんを暴れさせないこつ。

「やせるといいことがある」「やせてるほうが美しい」というのは、金儲け主義のコマーシャリズム、と言われても仕方がない。

 

高血圧の治療薬で逆に死亡率がアップ

高血圧の患者を対象にした調査で、治療薬(降圧剤)を使用した方が、逆に死亡率がアップするという結果になった。
それでも学会は、高血圧の基準値などの見直しをおこなわない。

・年をとるほど血管は硬く細くなるので、血圧が少し上がらないと脳にきちんと酸素が届かない。
それをクスリで無理に血圧を下げると、脳の働きが落ちてしまう。

高血圧の人に降圧剤を飲ませると、脳梗塞が50%も増えるという試験結果もある。

 

詐欺的に巧みなネーミング

生活習慣病というネーミングは、ライフスタイルを変えれば予防できるという誤ったイメージを植え付け、健診を盛んにする効果がある。昔は「成人病」という名前だった。

インフルエンザ脳症の正式名は「ライ症候群」。
実際は解熱剤の副作用で起こるのに、あたかもインフルエンザが原因で起こると誤解させるネーミングをつけて、ワクチン接種の需要をのばすことに成功した。

フィンランド症候群」というのは、定期健診を受ける人ほど早死にしたという、フィンランドの研究結果からつけたネーミング

世界中の人に適用できるはずなので、「健診症候群」というような名前にしてもよさそうなところを、あえてフィンランドの特殊事情と思わせるようなネーミングにされている。

放射線検査の発がんリスク

・健診は寿命が延びる効果が確認できていないうえに、胸や胃の放射線検査が行われるので、発がんリスクを増やすことになる。

・がんで亡くなった日本人の3.2%は、医療被ばくが原因と推定されている。

 

健診は公共事業

職場健診やがん検診は、土木工事なんかと同じ“公共事業”。

・税金から資金を補助し、産業を保護・育成している。それこそが、行政の真の目的ではないか。と近藤先生は考えられている。

 

血圧の基準値

・1970年代まで、血圧の基準値は年齢+90~100とされていた。70歳なら血圧が180くらいまでクスリが出なかった。

・その後WHOは、血圧の基準値を段階的に下げて、90/140まで下げた。
新基準作成にかかわったWHOの方の多くが、製薬業界からカネを受け取っていたことがわかっている。

血圧の基準値を10下げるだけで、日本の高血圧患者があらたに1000万人生まれ、 降圧剤の売上が激増した。

 

糖尿病の誤解

・糖尿病患者の多くは、ただ血糖値が高いだけとされている。

血圧コレステロールと同じで、血糖値も、高めの人の方が気力・体力が充実している傾向がある。

糖質制限を長期間続けると、死亡リスクが高くなり、かつ健康への効用は認められないという結果がでている。

 

最高の健康法とは

「最高の健康法は生涯働くことではないか」と近藤先生も和田先生も考えられている。

長野県民は平均寿命が全国トップレベで、70歳以上の人の就業率も全国トップ(4人に1人は働いている)という、寿命と就業率の相関関係が明らかになっている。

・逆に、高齢者の就業率が低い県は、老人医療費も高くなっている。

 

まとめ

医療業界への不信を募らせる内容でしたが、十分にありうる話だというのが、本書を読んで率直に感じたことです。

 

その一方で。

誠心誠意、患者のために日々の治療にあたられている医師の方も多くいらっしゃると思いますので、この本の内容が事実でないといいのに、と思う気持ちもあります。

 

でも、この本に書かれていることがいくらかでも本当であれば、無駄な医療費で家庭の資産を削ることもなく、かつ、何よりも大事な私たちの健康を守るのに役立つのではないかと思い、今回ご紹介させていただきました。

 

会社員の方は、健康診断を拒否するのが難しいと思いますが、仮に「異常数値」が出たとしても、その後の病院からの指導に対して、無用だと思えば、せめてクスリを飲むのを避けるなどの回避方法はあるかもしれません。

 

「こんなのトンデモ本だ!」という意見もあるでしょう。

本書の内容をどうとらえるかは、ご自身でご判断ください。

 

最後に、本書からの言葉を引用して締めくくりたいと思います。

 


「やってはいけない健康診断、やってみるべき生涯現役」


ということで、今回の記事は以上になります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。