【金持ち優遇策!?】ジュニアNISAをおすすめしない3つの理由
今回の記事はこのような方に向けた内容です。
・こどもの教育費を用意するためにジュニアNISAを検討している。
・ジュニアNISAのメリットとデメリットを知りたい。
こんにちは、ケン・イケハです。
こどもの教育費の準備といえば、定期預金や学資保険が有名ですが、最近は新しくできた「ジュニアNISA」を利用する選択肢もでてきました。
ジュニアNISAはメリットが多くある一方で、注意すべきデメリットも多くあります。
得をする方もいればそうでない方もいますので、今回の記事がジュニアNISAを利用するかどうかの参考になればと思います。
ジュニアNISAのメリット
利益や配当金が非課税
ジュニアNISAは毎年80万円の範囲内で購入することができ、売却や配当金で得られる利益が非課税です。
普通の課税口座で運用をしていると、得られた利益に対して約20%の税金をとられますので、その点で優遇がされています。
こどもが20歳になるまで非課税で運用できる(最大20年)
2016年~2023年の間で、投資ができるのは最大5年間です。
投資金額の上限は、80万円×5年間で400万円となっています。
2024年以降は、それまでに投資した資産をこどもが20歳になるまで、非課税で運用し続けることができます。
ジュニアNISAをおすすめできない3つの理由
1. 原則として途中でお金を引き出せない
ジュニアNISAは、原則として口座を開設しているこどもが18歳(※)になるまで、お金を引き出すことはできません。
(※高校3年生の年末まで引き出せない)
そのため、大学の学費には利用できるものの、中学や高校の学費には利用できないということです。
もし期間の途中でお金を引き出した場合は、過去の利益に対して課税がされます(※)。
それではわざわざ面倒な手続きをして、制限の多いジュニアNISAを利用した意味がなくなってしまいますね。
(※)災害等のやむを得ない理由がある場合は、例外的に非課税でお金が引き出せます。
2. 後から金融機関を変更できない
他のNISAとは違って、ジュニアNISAは一度口座を開設すると、別の金融機関に変更することができません。
もっとサービスが良かったり、手数料の安い商品をそろえている証券会社があることに気付いても、最初の金融機関で我慢する必要があります。
3. 投資が5年間しかできない(長期間のこつこつ積み立てができない)
これが個人的におすすめできない一番の理由です。
教育費の準備が目的なのに、「投資期間が5年間」という制約のため、こつこつ長期的に積み立てることができないのです。
つまり、早い段階で、まとまった資金(最大で400万円)をすぐに用意できる家庭を対象にした制度なのです。
積み立てをサポートするものではなく、「まとまった預金を金融商品に移管させるための制度」だといえます。
ジュニアNISAは誰のための制度?
子どもが小さい頃に、5年間で何百万円も投資資金を用意できるのは、ある程度裕福な家庭に限られると思います。
ジュニアNISAは相続税対策に有効であり、この制度がつくられた目的もそれが大きいかもしれません。
少額のこつこつ積み立てができない理由も、富裕層の相続税対策が目的であったと考えれば納得です。
祖父母などから生前にまとまった資産をもらえる家庭であれば、相続税対策として有効に利用できるでしょう。
高齢者の資産を「子どものために」という名目で、預金から投資へ移行させることも、政府がジュニアNISAをつくった目的の一つと言えそうです。
ジュニアNISAが金持ち優遇策だと思うのは、こういう理由からです。
まとめ
ジュニアNISAは非課税で長期間運用できるという点でメリットもありますが、こつこつ積み立てをしたいという一般的なニーズを満たしておらず、デメリットも多い制度です。
一方で、資産にかなり余裕があったり、相続税対策を考えられている家庭には有効な制度となりえます。
教育資金の準備のためには、積立定期預金やつみたてNISAなど、こつこつと無理なくできる方法が他にあります。
情報を適切に判断し、なるべく損をしない方法を選ぶように気をつけましょう。
【参考】金融庁:ジュニアNISA
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/junior/index.html