【学資保険の注意点】返戻率101.9%は金利0.28%と同じ!?【本当の利回り】
今回の記事はこのような方に向けた内容です。
・学資保険を検討している。
・学資保険の利回りは、銀行預金よりもどのくらいお得なのか知りたい。
こんにちは、ケン・イケハです。
早いもので、うちのこどもも今年の4月から小学校に入学しました。
公立の学校なので学費の負担はそれほどでもないですが、この先の教育費について考えておかないといけません。
こどもの教育費の話になると必ずでてくるのが「学資保険」です。
こどもがいる世帯の約半分が加入しているというデータもあるようで、「教育資金といえば学資保険」という考えの方も多いかもしれません。
今回は学資保険の利回りの部分に焦点を当て、「返戻率」は銀行預金の「金利」におきかえるとどのくらいお得なのかをまとめました。
これから学資保険を考えられている方の参考になればと思います。
学資保険が人気の理由
利回りが高い
いまは銀行の定期預金が0.01%という低金利の中で、学資保険の場合は返戻率が105%(※)を超える商品もあります。
銀行預金よりも利回りが高いのが魅力です。
(※)後述するように、返戻率は金利ではありません
強制的に貯蓄できる
毎月一定額が引き落とされ、途中解約をしない限り、満期までお金を引き出すことができません。
元本割れなしで気軽に途中解約ができる銀行の定期預金とは、この点が違います。
人によっては、そのように強制的に貯蓄できることが長所になります。
節税に使える
学資保険は生命保険の一種とされています。
そのため、生命保険料控除として所得税や住民税を節税することができます。
ただし、控除には金額の上限がありますので、他の生命保険で上限を超えていれば、学資保険の節税効果はなくなってしまいます。
学資保険の返戻率を金利でみる
学資保険は預金ではないので、金利ではなく返戻率で説明がされています。
返戻率とは、簡単に言うと、払ったお金に対する戻ってくるお金の割合をあらわしたものです。
たとえば、100万円の払込で105万円の受け取りができる保険であれば、返戻率は105%ということになります。
では人気のあるソニー生命の学資保険を例に、返戻率と金利の比較をみていきます。
なお、返戻率を金利に置き換える作業では、下記サイトのシミュレーションを利用させていただきました。
知るぽると 金融広報中央委員会
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/sikin/menu/s_tumitate.html
関西みらい銀行
https://www.kansaiurban.co.jp/sisan/teiki/teiki.php
ソニー生命「学資保険スクエア」
学資保険(無配当)Ⅱ型18歳満期
・毎月の保険料 9,080円(払込期間:0~18歳まで)
・払込保険料の総額 1,961,280円
・受取金総額 200万円(受取時期:こどもが18歳の時点)
返戻率:101.9%
この内容で積立預金と金利に置き換えると
↓
積立預金(0~18歳まで)
・毎月の積立金額 9,080円(積立期間:0~18歳まで)
・積立の総額 1,961,280円
・受取金総額 200万円(受取時期:こどもが18歳の時点)
金利:約0.28%
返戻率101.9%は金利換算で約0.28%となりました。
では次に、払込期間を18年から10年に短縮したプランでみてみましょう。
払込期間を短くすることで、返戻率が101.9%→104.8%にアップしている点も注目です。
返戻率はこういう仕掛けでアップされているんですね。
ソニー生命「学資保険スクエア」
学資保険(無配当)Ⅱ型18歳満期
・毎月の保険料 15,900円(払込期間:0~10歳まで)
・払込保険料の総額 1,908,000円
・受取金総額 200万円(受取期間:こどもが18歳の時点)
返戻率:104.8%
この内容で積立預金&定期預金と金利に置き換えると
↓
積立預金(0~10歳まで)&定期預金(10~18歳)
・毎月の積立金額 15,900円(積立期間:0~10歳まで)
・積立の総額 1,908,000円
・受取金総額 200万円(受取時期:こどもが18歳の時点)
金利:約0.6%
以上をまとめると、返戻率はこのような金利になりました。
見た目の返戻率の数字よりも、実際の金利はだいぶ低いことがおわかりいただけたと思います。
それでも、利回りは依然として銀行預金を上回っていますので、リスク相応かどうかを判断することになります。
最後に、学資保険の注意点をみていきます。
学資保険の注意点
学資保険で特に気をつけるべきことを3つお伝えします。
途中で解約をすると損をする
学資保険を途中で解約した場合、支払ったお金がすべて戻ってくるわけではありません。
18年間もあれば家庭の経済状況が変化するのは当然ですので、学資保険を継続できなくなる可能性も考えられます。
途中解約時にはどのくらいお金が返ってくるのか、契約前に確認をしておきましょう。
保険会社の倒産
保険商品を使った貯蓄では、銀行預金のような保護制度はありません。
保険会社の責任準備金の9割までが保証されるという決まりがありますが、9割の金額が戻ってくるという意味ではないようです。
万が一倒産した場合、実際にどのくらいのお金が戻ってくるかわからないのが怖いところです。
満期をむかえても元本割れする商品がある
親の生命保険などがついた保障型の学資保険の場合は、満期をむかえても元本割れすることがほとんどです。
教育資金を貯めることだけが目的であれば、元本を下回る商品を選ばない方がよいでしょう。
まとめ
学資保険を使うかどうかは、結局はリスクをどう判断するかによります。
「途中解約の損」や「保険会社倒産時の損」などのリスクを負ってでも、利回りを銀行預金より上げたいのであれば、学資保険に入ってもいいのかもしれません。
でも実際は、学資保険の利回りはそれほど高くないこともわかりました。
利回りを重視するなら、つみたてNISAを使って、少額でインデックス投資を行うという選択肢もあります。
また、イオン銀行や楽天銀行のように、簡単な条件クリアで普通預金の金利が0.1%になるものもあります。
ちなみに我が家では、教育資金は楽天銀行のマネーブリッジのサービスを利用して貯蓄しています。
預金なので安全性が高く、金利が0.1%と他のネットバンクより高いことから、この方法を選びました。
楽天銀行 マネーブリッジ
https://www.rakuten-bank.co.jp/assets/intermediation/moneybridge/
確実に教育資金を確保することを考えれば、リスクが高いわりに利回りがそこまで高くない学資保険は、不要とまでは言いませんが、無理をしてまで入る必要はないのではないか、というのが個人的な意見です。
これから学資保険を利用しようか考えている方のために、少しでも参考になればと思います。