どうやらこれは遊びらしいぞ

【意外!?】お得なNISAで逆に損をするケース

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今回の記事はこのような方に向けた内容です。


・NISAはお得だと聞いたので、これから始めてみたい。
・とりあえずNISAで運用しているけど、損をすることがないか心配。



こんにちは、ケン・イケハです。

 

税制優遇などでお得な「NISA」は、資産運用の方法として初心者の方にも人気のある制度です。


その一方で、お得なイメージとはうらはらに、「NISAの利用で逆に損になるケースがある」ことをご存知でしょうか?


今回はそのような具体的なケースをまとめましたので、NISAの利用を適切に判断するご参考になればと思います。

 

 

NISAのメリット

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2019年5月時点で、NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があります。
今回とりあげるのは「一般NISA」についてです。

 

NISAのメリットとしては次のものがあります。

 

利益が非課税

年間120万円の投資までであれば、得られた利益(配当金・売却益)が非課税になります。
もしNISAではない普通の課税口座を利用している場合は、得られた利益に約20%の税金がかかります。

 

NISAがお得な例

 

【条件】
・2019年に120万円投資信託を購入
・5年後の2024年に、値上がりした150万円で売却

 

(NISA口座で購入していた場合)
利益にかかる税金:0円
得られる利益:150万円-120万円=30万円

 

(NISAではない課税口座で購入していた場合)
利益にかかる税金: (150万円-120万円)×約20%=約6万円
得られる利益:150万円-120万円 -約6万円=約24万円

 


このように、非課税の優遇措置により、NISA口座の方が得られる金額が大きくなることがあります。

ちなみにNISA口座で購入した金融商品非課税にできる期間は、買った年を含めて5年間となっています。

 

NISAで損をするケース

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では次に、NISA口座を選んだことで、逆に損をするケースをみていきましょう。

 

ケース①
損益通算ができないため、課税金額が増えて損をしたケース

「120万円の株式」と「100万円の投資信託」を購入する条件で、AとBで比較しました。

 

Aの場合(NISA口座と課税口座を併用)←損をする

 

2019年
NISA口座:120万円で株式を購入
課税口座①:100万円投資信託購入
課税口座②:資産保有なし

2024年
NISA口座:値下がりした90万円で株式を売却
課税口座①:値上がりした130万円投資信託売却
課税口座②:資産保有なし

 

<売却益>
NISA口座:90万円-120万円=-30万円
課税口座①:130万円-100万円=30万円

 

<課税金額>
30万円×約20%=約6万円

<得られる利益>
30万円-約6万円=約24万円

Bの場合(NISA口座を利用せず課税口座のみ)←得をする

 

2019年

NISA口座: 資産保有なし
課税口座①:100万円投資信託購入
課税口座②:120万円で株式を購入

2024年
NISA口座: 資産保有なし
課税口座①:値上がりした130万円投資信託売却
課税口座②:値下がりした90万円で株式を売却

<売却益>
課税口座①:130万円-100万円=30万円
課税口座②:90万円-120万円=-30万円

 

<課税金額>
(30万円-30万円)×約20%=0円

<得られる利益>
30万円-0円=30万円


このように、NISA口座の「損益通算ができない」というデメリットにより、逆に課税金額がアップするケースがあります。


「損益通算」とは、「他の商品などと合算して、一定期間内の利益と損失を相殺すること」です。

 

NISA口座のみを利用すれば損をすることがないのでは?」という疑問があるかもしれませんので、次のケースをみてみましょう。

 

ケース②
NISA口座から課税口座に移管後、金融商品を売却して損をしたケース

「120万円の投資信託」を購入する条件で、AとBで比較しました。 

 

Aの場合(NISA口座から課税口座に移管)←損をする

 

2019年
NISA口座:120万円投資信託購入

2024年
非課税期間の満了にともない、値下がりした90万円投資信託NISA口座から課税口座に移管
※この時点で、投資信託の取得価額は、120万円→90万円に変わります!

2026年
課税口座:NISA口座から移管された投資信託を値上がりした120万円売却

<売却益>
120万円-120万円=0円

<課税金額> 
(120万円-90万円)×約20%=約6万円

<得られる利益>
-6万円

 

Bの場合(ずっと課税口座で運用)←得をする

 

2019年
課税口座:120万円投資信託購入

2026年
課税口座:120万円投資信託売却

<売却益>
120万円-120万円=0円

<課税金額>
0円×約20%=0円

<得られる利益>
0円


このように、購入時よりも資産価値が下がった状態で、NISA口座から課税口座に移管すると、売却時に損をするケースがあります。

NISAで購入した金融商品の非課税期間は、原則として5年となっています。
翌年以降の非課税枠に移す(ロールオーバー ことも可能ですが、いずれ期間が過ぎれば、NISA口座から課税口座に移管することになります。

 

NISAで損をしないために何を注意すればいいのか

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損益通算できないデメリットはどうしようもない

ケース①でみた損益通算できないデメリットは、そういうものだと受け入れるしかなさそうです。


NISAは「値上がりすれば得をするけど、値下がりすれば何も得をしない(場合によっては課税口座より損をする)」と認識しておきましょう。

 

ロールオーバーを有効に利用する

ケース②でみた損失は、ロールオーバーで回避できる可能性があります。


NISA口座から課税口座に移管する際、購入価格より移管時の取得価額が下回っていると損をする可能性があるので、ロールオーバーを利用することで、移管時期を先延ばしすることが有効になりえます。


しかし、さらに価格が下落して損が大きくなる可能性もありますので、慎重に判断する必要があります。

 

TOPIX連動のインデックスファンドなど、比較的安定した商品であれば、移管時期を先延ばししても大きなリスクはないと考えます。

 

まとめ

非課税などの優遇処置で人気のNISAですが、その制度を利用することで、逆に損をするケースがあることを紹介させていただきました。


しかし、NISAがお得に利用できる制度であることは確かですので、自分の資産運用のスタイルに合わせて、上手に活用していきましょう。

 

NISAの詳細については、下記の金融庁のサイトなどをご参照ください。

 

金融庁

https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa/overview/index.html